荒汐部屋 目次

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平成23年 七月場所への意気込み

半年ぶりの通常開催の本場所となった平成23年七月場所。先の技量審査場所で勝ち星を重ねた荒汐部屋勢は,全体的に番付が上がり,今場所は特に序二段勢が目の色を変えて雪駄(三段目以上だけが履ける)を狙って稽古に励んできました。その並々ならぬ意気込みを,各自語りますので,どうぞお聞きくださいませ。

大小林 (だいしょうりん:序二段東87枚目)

大小林今場所ですか?ま,平凡に勝ち越します。

って言ってみましたが,なんとなく今場所は負け越しそうな気がします。だって先場所負け越したのに,番付上がってしまって,十分負け越せるところにいますね。だから,まあ負けてもいいか,って軽い気持ちで行こうと思うんですけど,いざ,本場所のあの明るくまぶしい土俵に立つと,何が何でも勝たねばならぬ,って燃えてしまって,そうなるともう自分で潰れてしまう。今場所はケガも病気もなく順調に稽古をしてきましたが,やっぱり負け越す気がします。

いや,自分にとって本場所っていうのは出ることに意義があるんです。憧れのオリンピックと同じで,憧れの本場所土俵です。出られるだけで満足です。はい。

え?稽古場でははっきり強くなってるって?いいえ,そんな実感はまったくありません。なので,ま,平凡に。

(不思議な方向性の自己暗示によって,本場所で力を出し切れる気持ちに至ろうとする大小林。稽古場での彼の迫力・強さと,このコメントとのギャップは,常識では理解できないものです。)

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荒行志 (あらぎょうし:序二段西58枚目)

荒行志何とか勝ち越します。番付が上がったので,なかなか簡単では無いんでしょうけど。

親方からは,危ないからヘンなことをしないようにかなり言われました。でも,やろうと思ってやってるわけじゃないわけでもないんです。やっぱり勝ちたいです。でも,まだ全然力がないんで,まともに行っても勝負にならないのはわかってます。それでも勝つにはどうしたらいいか,頭のなかではいつも考えてます。流れの中でそういうのが出るんだと思います。とにかく勝ちたいので。

稽古でそんなことやっても意味がないから,押す力をつけることを必死にやってます。基本の力なんで,これがなかったら,ちょっと番付が上がったらどうにもならないです。とにかく稽古は押す力をつけることだけに集中してますけど,でも,動画とかで相撲もだし,それ以外のいろんなスポーツも見たりして,今出来ることは何か考えながら,頭のなかにはいろいろ取り入れていってます。

ただ,ちょっと番付がややこしいところに入ってしまいました。高校相撲出身の人とか,三段目経験者とか,あぁこれは悪いところに入ってしまいました(式守一輝「お前,何言ってんの?自分の力がそこだってことなんだよ。もうそこまで来てるんだよ。」)。あ,はい。そういうことなんですかねぇ。

(自称,親方の言うことを誰より聞かない荒行志ですが,それでもさすがに心の底には刻み込みつつ,聞けば聞くほど恐ろしいまでの野心を燃やしているようです。)

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寛龍 (かんりゅう:序二段東38枚目)

寛龍先場所ははじめて5勝して,今場所は最高位です。気持ちも体調もいいです。えっと,自分の場合はいつもいいんですけど。今場所も身体は大丈夫な感じです。

このくらいの地位のことはあまり知らない感じなので,本場所では,よく見て,焦らず,相撲を取りたいと思っています。

うーん,それにしても一宮での稽古は熱いですね。蒸し熱いです。すっごく疲れます。申し合いしてぶつかって三番稽古してぶつかって,で,熱射病になるんじゃないかと思ってしまいます,けどなりませんね。ただ,コレ(ゲームをするしぐさ)やる元気が残らなくてちょっと困ります。

(自称,稽古量が誰より少ない寛龍ですが,見ている分にはみんなに負けじとガンガンやってる。しかしやってる側には「最初は力を出さずに,他が疲れてきたらどんどん力を出してくる。キタナイ手口だぁ」。ゲームで鍛えた(?)謀略策略の数々が,稽古場でも本場所でも発揮される。なんとオソロシイ)

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廣瀬 (ひろせ:序二段西29枚目)

廣瀬雪駄が見えるところまで来ましたが,ここで5番ってのはタイヘンそうですね。だからといって,勝ち越しでイイや,とかはまったく頭になくて,狙うは6番,いや7番とも勝つ気で行きます。

調子はまあボチボチですが,稽古は充実してました。去年の名古屋は3勝1敗から負け越してしまったので,余計に今年はそうはいかないぞって気持ちが強いです。稽古場でも地力がついてきたって言ってもらえるんですけど,こればっかりは本場所を終わって星を見てしか実感が得られないんです。たとえ全員が揃って強くなってきていても,やっぱり他の部屋の同じ番付の人とあたって,7番とったその結果でしか強さって実感できないんですよ。そういう意味でも結果が全てなんです。

あ,体重ですか?いや計れないんです(重すぎて)。あのぉ,親方が前,(150kg以上でも)計れる体重計を買ってくれるって言ってたんですけど・・・。え?あっても計らないだろって?言い訳できなくなったら計りますよ。

最近,身体つきが引き締まって強そうに見えるって言われるんですけど,そうなんですか?日焼けしたんでそう見えるんですかね。見た目に見合うように,強い相撲を取ってきます。

(「今場所の番付,自分の周り,やけに大きい相手ばっかりなんですよ」と廣瀬。あなたにだけは言われたくない,と皆さんおっしゃることでしょう。)

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荒獅子 (あらじし:序二段東21枚目)

荒獅子まー,とにかく三段目に戻りたいですね。それだけですよ,もう。なんとか勝ち越さないと。

調子はボチボチ,まずまずですね。稽古もまぁよくできたんじゃないですかね。問題はありませんよ。

今場所一番力を入れたのは,このにんにく味噌ですね。結構評判が良くて,頑張った甲斐がありました。陸奥部屋の頭(かしら:若者頭)に作り方を習ったんです。結構,手間がかかるんですよ。じっくり炒めて,味噌も水分が飛ぶまで焦げないように火を入れるので。ただ,ニンニクは国産に限りますね。香りが全然違うんですよ。

みんなからの人気があるのはハンバーグです。レシピを調べて普通に作っただけなんですが,みんな旨い旨いって言ってくれます。ただ,ここだとフライパンでたくさん焼かなきゃいけないので,ちょっとタイヘンですね。部屋に戻ればオーブンに入れっぱなしでいいから,また部屋でやります。

(荒篤山「ちゃんこ長,俺たちのために無茶苦茶頑張ってくれて,本当にありがたいっすよ。夜も,寝る時間削って遅くまで仕込みしたりして,すげぇっすよ。」と,すっかり再びちゃんこ長としてフル稼働の荒獅子です。)

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力山 (ちからやま:序二段西11枚目)

力山よりによって。。。こっち来て2日目,稽古でヘンにのこっちゃって,面倒な捻挫をやっちゃったな,って思って病院行ってレントゲン取ったんです。そしたら先生,レントゲン写真じーっと見たまま黙ってるんですよ。は?何?捻挫じゃないの?って思って,俺もレントゲン見たら,素人にもわかるくらい,ピキってヒビが入ってて,「ヒビが入ってます。」だって。全治6週間です。固定します。だって。。。

もう,落ち込んでますよ。数少ないチャンスだったのに。よりによって何で今?

(うまくいかないとはまさにこのこと。ノリノリでバババっと駆け上がろうというまさに今,こんなことになってしまうなんて。かける言葉もありません。そんなわけで右足首骨折で全休予定です。とりあえず,この暑さでグルグル巻きは痒そうです。)

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荒篤山 (こうとくざん:序二段西7枚目)

荒篤山調子はものすごくイイっすよ。けど,小さいケガが多くて。ガンガンできると思ったら,ちょっとケガして,の繰り返しでちょっとイラつきますね。

今場所は番付は厳しいですが,まずは3番。3番が目標です。渡(大波)からこの考え方を聞いたんです。4番狙うと意識しちゃうから,まず3番。あとはそこに1つ1つ積み重ねていけばいいって。

今年中には雪駄を履きたいっすね。去年も言ってましたけど去年は半分冗談でしたが,今年は本気です。(式守一輝:今年じゃなくて今場所だろ?もう今年は一気に博多帯狙いますとか言っちゃえばいいんだよ。)いや,序二段上位はそんなに甘くありません。それはわかってます。なので,今場所はまず3つ。そうすればあとは乗せていけばいいんですから。

(ひとまわりどっしり重くなった印象の荒篤山。さらに攻守の基本テクもさらに速く鋭く磨きがかかってきた。その荒篤山に対し,お前だけ先には行かせないと,他の序二段勢も互角の勝負を重ねる。若さを活かした荒篤山の早い成長が,全員を引っ張る格好になっています。)

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突光力 (とっこうりき:序二段東6枚目)

突光力いやいやいやビックリしましたよ。何って,番付ですよ。自分の名前が見当たらない,どんどん上見て探したら,こんなところに。ほんとビックリしました。

でも,今,絶好調です。体重も,5月から10kg近く太って100kg軽く超えてます。いい傾向です。自分でも鏡を見るたびに,なんだこの身体は,ってびっくりするくらい大きくなってます。

ちょうど名古屋は2年前,序二段の一番下で,2年がかりでここまで来たことになりますね。このチャンス,1回で必ず掴み取ります。

稽古はこの蒸し暑さで,ちょっとスタミナが持ちませんけど,毎日全力で出来ました。これまであちこち痛くて満足に稽古できなかったので,気持ちがいいですね。むしろおかしな格好にならなくて,内容も良くなっていると思います。

いい千秋楽になりますよ。絶対。

(6勝の自信,6枚目の自覚,明らかに一段強くなり,そして相手には力を出させない突光力。ただただ楽しみな今場所です。)

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大波 (おおなみ:三段目西81枚目)

大波最低5番,いや6番,そう言わなきゃならない状況にあるのは自覚しています。親方にもいろいろ言ってもらってるんですが・・・

ただ,何ていうのか,調子っていうか,イマイチなんですよね。まさにスランプです。といってもこれは完全に気持ちの問題です。試練の中というか。。。体調は良いんですよ。稽古も時津風部屋でまずまず出来たと思います。ただ,こうとにかくイマイチなんです。

ここは気持ちよく勝ち星を並べて,気力を上げるしかないですね。

(青年は誰しも悩ましい。問い続け,問い続け,土俵に答えを見つけるまで。それが力士。というと哲人のように思索にふけっているかと思いきや,ワイワイやっております。)

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福轟力 (ふくごうりき)幕下東22枚目

福轟力今場所は最高位で,しかも予想してたのより番付が上がったので,厳しい場所になることは覚悟してます。とは言え,やはりここでこそ勝ち越したいです。上がったから3番勝てたら良いだろう,みたいな考えは一切ありません。しっかり勝ち越しを狙って行きます。でも,高望みはせず,しっかりと。

稽古は,だいたい渡(大波)と二人で犬山の時津風部屋に出稽古に行ってました。境川部屋と立浪部屋も来るようになって,番付の近い相手とかなり稽古ができたので充実していました。まったく自分が通用しない地位じゃないことも感じられましたし。気合が入ります。

こっちに来てから,この前,老人ホームにお邪魔したんですけど,そこで普段ほとんど話したりしなくなってしまった方が,自分らと握手したりしてたら,話せるようになって,お声をかけて下さったりまでしてっていう奇跡みたいなことが起きたんです。普段,相撲に興味がなくても,こういう機会にちょっとふれあっただけなのに,そこまで思って下さる方がいる。そういう方のためにも,それとやっぱり地元福島のためにも,今ここで足踏みするわけにはいきません。着実に一歩一歩上がっていきます。

やる気は十分,ガンガン行きますよ。

(イイ感じっぽく書いてください,と釘をさす福轟力。イイ感じのみならず強い感じをも,群雄割拠のこの地位で存分にお見せします。)

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