荒汐部屋 目次

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平成23年十一月場所&2011年を総括(その3)

力山(序二段西55枚目)

11月場所:4勝3敗(序二段西88)

九州場所,体調の方は良かったっす。名古屋場所全休した足首の怪我はもう全然痛くないし,体重も先場所は85キロぐらいだったのが,90キロになりました。

写真:力山 初日は経験者相手に作戦通りのカンペキな相撲が取れました。立っていなしてボーンボーンと突き出し。4日目は,変化っす。日頃からよく一緒に稽古している陸奥部屋の力士だったんでやりにくかったっす。6日目は変化失敗。8日目はすべってこけました。」10日目はつっかけて,立ち合い不成立だったんすけど,相手を土俵の外まで落っことしちゃいました。2回目の相撲は突っ張って,突っ張って,いなしたり,引いたり,で最後は引き落としで勝ちました。12日目はカンペキに2本入って寄り切り。千秋楽は,悔しかったっす。突いて,突っ張って,突っ張って,肩透かし,最後は2本入ったのに,上手投げで負けました。

今年の九州は暖かかったんで,助かりました。稽古場でも体がすぐ温まってヨカッタっす。基本寒がりなんで。

2011年:15勝13敗7休

試練の1年。怪我。

7月の怪我で落ちて全てが狂った。怪我したときは,正直もうヤル気なくしました。三段目が目前だったので。

それ以来,全部ダメ。先場所も勝ち越したけど,全然うれしくならない。「はぁ?それが何」,みたいな。序二段上位に戻るまではきっとこんな感じが続くんだと思います。

写真:力山 ただ,福岡で太りだして92kgになりました。前までご飯は1杯しか食べられなかったんですけど,自然と2杯食べるようになったらビックリ,あれ,みたいな感じ。夜になっても腹へってムダに食う。ま,そろそろ成人なんで,落ち着いてきたんじゃないですか。

今年はとりあえず,終わりよければ全てよし,ってことにして,来年に期待します。

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荒行志(序二段西78枚目)

11月場所:2勝5敗(序二段西48)

あ,はい。ヤバイです。いずれこんな日がくるかな,とは思ってましたが・・・。

写真:荒行志 9月場所前から稽古場でも相撲取らせてもらえるようになって,ずっと自分の型を見つけたいと思ってやってきました。でも,全く見えてません。めちゃくちゃな素人相撲で,なんか勢いだけで,「勝ち越したら三段目」ってところまで行ってから,2場所連続で2勝5敗。やっぱり相撲は甘くないです。番付は先場所より下がったのに,全然勝てなかったのは,相手がどうっていうより,まず自分をなんとかしないといけないと思います。

〈福轟力〉 「目先の勝ちにこだわらない方がいいんだよ。相撲始めて一年なんだから,何も出来なくて当然なんだから。まずは基本。言われてるように,四股,テッポウ,すり足をしっかりやって,何より押す力を身につけないと。何やるにしても上手くいかないよ。あとは本人がどれだけ自覚してやれるかどうか,だね。」

あ,はい。正直,前は言われていることが実感として分かっていなかったんですけど,今場所終わって,ようやく言われている意味が分かってきた感じです。そういう意味では勉強になった場所でした。

2011年:15勝20敗

写真:荒行志 全体としてはまあまあの1年でした。最高位は3回更新しましたが,トータルで見ると5つも負けてて全然。

体重が増えてきて84kgまで来ました。ただ筋量が伴って増えてないので,そっちは増やさないといけません。

来年からはちゃんとした型の相撲を身につけていきます。変態相撲はもう完全にみんなに覚えられてきたみたいで,通用しません。一つ自分の中で型を決めて取り組んでいるので,まだナイショですが,それを基本にちゃんとした相撲を身につけていこうと思います。

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剛士(序ノ口東15枚目)

11月場所:前相撲

写真:剛士 部屋の生活にも,教習所にも慣れてきました。今教習所に9人いるんですけど,先輩とかと話しするようにもなって。書道とか,相撲史とか,あと相撲甚句謡う時間もあります。

部屋の生活は違和感なく,普通にやれています。実は小学生の時に,相撲の合宿で荒汐部屋に2週間くらいお世話になったことがあるんです。その頃から来てる部屋なんで,しっくりくる感じがしています。

2011年

写真:剛士 あっという間に過ぎた1年でした。小さいころからずっと目標にしていた相撲部屋への入門,それを果たしたという意味で,一生の中で一番大きい一年だと思います。

高校でも相撲はやってましたが,実際入門すると,生活が相撲だけになりますから,毎日が一変した,そんな気がしています。

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飛騨野(序ノ口西15枚目

11月場所:前相撲

写真:飛騨野 まだ,見るもの,聞くもの,すべて新しい感じです。先輩方の稽古を見ても,みんな全身汗をかいて,息もあがって,自分でやっていけるのかなぁ,という不安もあります。入門するまでは,人と飲みに行く機会もあまりなかったんですが,九州では,部屋を応援している人たちに誘って頂いたりして,嬉しかったです。

2011年

写真:飛騨野 普通に考えて,人生の中でこんな大きな転換ってありますか。普通に家にいた毎日が,突然,土俵の上で相撲をしている毎日になるなんて。

前相撲では運良く勝てましたが,一つ一つ稽古をして,相撲を覚えて,まず来場所は前相撲よりいい相撲を取れるようになりたいです。今はまだそれだけです。

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式守一輝(三段目格行司)

11月場所

九州ですか?飲みすぎちゃいましたね。焼酎やお湯割り,食べ物も美味しいし,女の人も綺麗だし。

写真:式守一輝 場所前にあったローカルテレビの取材は良い経験になったっすね。テレビの制作に関わってるプロデューサー,タレントさんや照明スタッフの人とか,普段お話する機会のない人たちと話ができたし。一応自分が行司の体験入門に来た子に行司のあれこれを教えるということになってたんすけど,自分もタレントさんみたいに「カンペ」とか用意されて面白かったっす。レポーターさんとかは,やっぱりスイッチの入り方がすごいっすね。カメラ回ってない時はフツーに雑談とかしてるのに,いざ本番が始まると表情がガラッと変わる。やっぱ,プロっす。自分も土俵に上がる時のテンションの高め方,スイッチの入れ方,みたいなところで見習いたいと思いました。

今場所は一つやっちゃいました(差し違え)。まだまだ動きが甘いっすね。行司にも「右四つ」「左四つ」じゃないっすけど,自分の動きやすい形があるみたいなんですよ。行司は勝負がつく瞬間を見やすい所で見えるように動くことが大事なんすけど,その場合自分はいつも体が「右回り」に動くんすよ。力士の動きはいつも一定じゃないんで,右にも左にも動けなきゃいけないんすけどね。たまに力士と動く方向が一緒になって,ぶつかりそうになる時もあります。新弟子の頃は,土俵際,自分の位置が悪くて,まともに力士の張り手を食らった時もありますからね。

メンタル面も,体の動きもまだまだ,行司として足りないこと一杯っす。

2011年

写真:式守一輝 自分らは力士と違って,目前に何か目標を据えて勝負するって仕事じゃないんで,今年を振り返って,って言われてもなかなか難しいですね。裁きがどうなったとか,差し違えがどうだったとか,そういうことはずっと先に振り返ってはじめて何かコメントできるようなことのように感じます。逆に自分のことより,巡業がなくなったこととか,震災があったこととか,そういう周りの出来事のほうが大きかったので,いろいろ思い出されます。明日,何が起こるかわからない,そんなことを痛感させられました。そういうことを通じて,とにかくいろいろ勉強になった1年ではありました。

あと,酒量が減りました。

ケガもなく,気の聞いたコメントもなく,無事に今年も大晦日を迎えようとしています。

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