荒汐部屋 目次

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平成30年 九月場所を振り返って

若隆景(十両西7)8勝7敗

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ありがとうございます。お陰様で勝ち越すことが出来ました。

そうですね,十両に上がってからここまで勝ち越しでこれていることは自信になっていますけど,同時に甘くないなとも実感しています。3連勝スタートで4連敗。連勝中は今場所は体が動いてるって思いましたけど,連敗中は勝つ事に意識し過ぎました。そこを反省して,思い切って相撲取ることだけに切り換えました。まだまだ立ち合いが甘いですし,親方も言っていた通り,立ち合いに横からいくこともあったので,その辺りは今後の稽古の課題です。

体重の方は,十両昇進した時より5キロほどは増えましたけど,もっと増やしていきたいです。一度に食べる量も限界があるので,その分食べる回数を増やしたりして。巡業中は相撲を勉強する良い機会なので関取衆にいろいろ聞いて回っています。自分のような小さい力士は工夫ないといけないですから。でもまだ年の近い関取にしか話しかけられないんですけどね。

これからもっともっと立ち合いの圧力,スピードをつけられるように稽古していきます。

若隆元(幕下東7)2勝5敗

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何も言う事ないですね…(悲痛な表情)。全然ダメでした…(目虚ろ)。

自分では緊張してたとは思っていないんですけどね…。番付的にも先場所9枚目で今場所7枚目。2枚しか変わっていないわけですし。でも親方には「上半身ばかりに力が入って,下半身に力が入っていない」って言われて。これは普段から稽古場でも意識していることなんすよ。頭では分かってるのに実践するのは難しい…。

これからもっと体重を増やして,本場所で稽古場通りの相撲が取れるように頑張るしかないです…(顔面蒼白)。

蒼国来(幕下東9)4勝3敗

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「勝ち越しおめでとう」って,喜んでいていいのかな?そりゃ,出来れば最後もう一番勝っておきたかったよね。

今場所は久しぶりに7番しか取らなかったから,途中で相撲取らない日があるでしょ。「あれ,明日は場所に行くんだったっけ?」って,良い意味で力が抜けたと思うよ。まぁ足の状態が万全じゃない状態の場所だったから,取ってる時は必死でしたけどね。

親方も言っていた通り,三月に怪我をしてからまともな稽古が出来ていないからね。よく「相撲が取れない時は,筋トレとかしてるの?」って聞かれたりするけど,私は器具を使った筋トレは敢えてやらない派なんですよ。相撲は下半身。上半身は柔らかく使いたい。怪我の予防という意味でも,どこかに偏った筋肉でなく,柔らかく全体のバランスがとれた良い筋肉をつけたい。力士は相撲に勝つ為に稽古するのであって,ボディビルダーを目指している訳じゃないから。そういう意味では,基本的な四股,腰割り,テッポウ,すり足,ぶつかり稽古。そして申し合い,三番稽古といった伝統的な相撲の稽古の中に力士として強くなる為のすべてがつまっていると私は考えています。

足の方は回復してきています。これからしっかり稽古して戻していきます。

若元春(幕下西14)5勝2敗

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親方に言われた通りですね。この番付(西14枚目)でこの成績は当たり前だって。

まぁ5番の中には良い相撲もありましたけど,悔しさの方が大きいです。特に苦手なタイプの相手にやっぱり勝つ事が出来なかったというのは悔しいです。2敗目の相撲なんかは「今世紀最悪」の相撲。

荒篤山(幕下東16)4勝3敗

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…悔しいっすね。もう一番勝ちたかったっす。

2勝2敗になった時、「あ、このままじゃダメだ」と思ったすよ。勝ちを意識し過ぎてたんです。だから星勘定するのをやめました。「勝ちたい」じゃなくて「思い切って楽しもう」と。今場所得る物があったとしたら、そこですね。自分、以前はめっちゃ負けを引きずる方で、次の取組にも影響が出るくらいだったんすよ。でも、もう凹むのやめました。

どうやって変わる事が出来たかって?友達ですね。他のスポーツの選手ですけど、自分いろいろ質問するんすよ。大きな試合に臨む時には、どういう風に気持ちを持っていくの?とか。相撲だけじゃなくて、他のスポーツからも学ぶことがあるじゃないですか。特にメンタル面とか。そういう友達がいたお陰で、今場所勝ち越すことが出来たと思います。

寛龍(三段目東73)4勝3敗

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え?今場所目標にしてた事ですか?え~っと,自分目標とか言うと緊張してしまうんで…。

丹治: 自分は6番勝つぞ!思ってました。

ひょえ~! よくそんな事言えるなぁ! 自分だったら言ったのと星が逆で終わってしまう・・・。

飛騨野(三段目東81)2勝5敗

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あ,そうですね。「第一次上田合戦の徳川軍。」今場所はそれでいきましょう。

迷いの場所。初日勝ったのはともかく,二番目寄り倒されて負け…これが「終わりの始まり。」4連敗の後ようやく2つ目の白星。「これがオセロなら白が並ぶのに…」と,無意味な妄想。

4連敗中は引かれてバッタリ落ちたかと思いきや,がっぷり四つで寄り切られたり,電車道で持っていかれたり,得意じゃない四つで負けたり,と内容が全部違う。つまり「今場所はこれが原因で負けた」という敗因がハッキリしない。ならば,相撲以外の事で自分には珍しく「ゲン担ぎ」でもしてみよう。浴衣変えて,ステテコ変えて,はたまたパンツを気合の赤に変えて…。まるっきし効果無し。取組前はあまり食欲が無いので,吉田さん(元・突光力)が差し入れてくれたゼリーを食べる。されど「吉田さん御利益」は得られず…。

迷って,もがけど活路は見い出せず。ズブズブと悪い深みにハマっていく,まるで真田軍のワナにはまった第一次上田合戦の徳川軍のような今場所でした。

常川(三段目西99)4勝3敗

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あ,ありがとうございます。な,なんとか勝ち越せましたが,内容的にはまだまだ自分らしくない相撲ばかりで…。

今場所の相撲内容は相変わらずワケワカラナイ相撲で,引いたりいなしたり,体が言うことを聞きません。稽古場通りの相撲を取ろうと頭では考えているのに,本場所の土俵に上がると体がヘンな事をします。「前へ前へ」が信条なのに…ナゼ??先場所の後,メンタルトレーニングの本を一冊買って読みました。でも…それだけの事。

場所前は若隆景関に付いて夏巡業に行ってました。数えたら,岐阜県から始まって,北陸,甲信越,東北,そして北は北海道まで26都市を廻りました。巡業中の稽古は番数をこなすのは難しいんですけど,普段稽古出来ない力士と稽古する良い機会になりました。帯広で若隆景関と食べた新鮮で美味しい海の幸。下諏訪で珍しい民泊を経験させてもらって,一般のご家庭にお世話になった事。良い思い出が出来ました。

廣瀬(序二段東3)3勝4敗

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今年で30歳になります。更なる進化の時です。

相撲内容は変わらないし,稽古内容も変わっていません。「量は変えて質を上げる」戦略。結果,最近スリムになりました。現在体重150キロ。稽古後のちゃんこは普通に食べられるのに,夕方は食欲が減ってきたので,そこは自家製スムージーで補充。皆が寝静まったところで,一時間お風呂に入る。美肌効果も抜群。内も外も質の良い体質へと改善中。

綿谷(序二段西103)5勝2敗

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初めて4連勝も出来ましたし,5番勝つ事が出来て嬉しいです。これまでだと勝ち越しがかかった相撲とかで緊張して相撲が取れない事がありましたが,今場所は稽古場通りの相撲を取る事が出来ました。

飛騨野: 綿谷は強くなってますよ。本当によく稽古します。それに相手の相撲をよく研究してます。ただ研究すると言っても,前日に動画で観たりするだけだから,『稽古場でやっていないことを本場所でやらない方が良いよ。稽古場通りの相撲を取る事に集中した方が良い。そしたら6番は勝てるよ』って話してたんです。

早川: 「ってことは,5勝出来たのは,飛騨野さんのアドバイスのお陰だね!!」

…(無言)。

丹治(序ノ口東5)4勝3敗

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嬉しいです。来場所は最高位更新できそうです。

photo 場所前は綿谷さんと三番稽古していました。はい。ひたすら綿谷さんと二人で,です。30分くらいやってると自分は後半バテてくるんですけど,綿谷さんは後半に強い。蹲踞も立ち合いも綿谷さんが一呼吸早くなってくるので「綿谷さん早いなぁ」と思っていたら,どうやら自分がフラフラでノロくなってるみたいです。まだまだ腰が高いのと,スタミナが課題です。

(来場所につづく)

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