荒汐部屋 目次

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平成31年 一月場所(両国)を振り返って

2019年1月13~27日:国技館

photo:新春を告げる初場所は,若元春の3枚目での幕下優勝という,最高の結果をもって幕を下ろしました。祝賀ムードにあふれた千秋楽打ち上げパーティーより,恒例早川様による今場所の総括インタビューをお届けします。

師匠・荒汐

(パーティーでのご挨拶より)

photo:え~,皆さんこんばんは! 今日は皆さんもうご存知の通りと思いますが,めでたい千秋楽になりました。本当に私も嬉しいんですが,何処から話をしていいか分からないので,まぁ~そっちの端から話します。

まず蒼国来ですけども,今日勝って8勝7敗と勝ち越しました(拍手)。この今日の取組はうちの時津風一門にとって重要な一番だったんです。(同じ時津風一門の)陸奥部屋の霧馬山が西の筆頭で4勝3敗。二枚目,三枚目以下も好成績で,もし今日蒼国来が対戦した相手が勝っていたら,そっちの方が(霧馬山の昇進より)有利かなという感じでした。結果的に蒼国来が勝ちましたので,どうやら時津風一門からまた一人関取が誕生しそうかな,という感じですので,今日の蒼国来の勝ちは一門に非常に大きく貢献した良い勝利だったと思います(拍手)。

若隆景は残念ながら昨日負け越しましたけども,まぁ今日勝って最小限に番付の降下を止めたという点では良かったんじゃないか,と思います。

photo:え~,お前(若元春)ちょっと前に出てこい。こんなことめったにないんだから(拍手)。え~,今場所幕下3枚目で7戦全勝。待ったなし。来場所は十両に昇格すると思います(拍手)。本当に皆様の応援があったから本人も頑張ったんじゃないかなと思うんですけど,ここで一つ釘をさしておきたいと思う事があります。え~,今度十両に上がれば「資格者」となります。十分言動に注意すること。本当に,ここ2年,3年は昇進が遅かったんじゃないかと思います。道草を食った分,これを肥やしにして,一気に幕内に上がれるように精進して頑張って欲しいと思います。ホント―に,私はここ2・3年,寿命が縮まった思いでした(苦笑)。ほんっとに・・・これまでいろんな事がありました。でも今こうやってみると,良かったなぁ・・・と。ほんとにこれから番付下げないで幕内まで上がれるように,頑張って欲しいと私は思っております。本当に皆さん,ありがとうございました(拍手)。

次が荒篤山ですけど,さっき言った霧馬山に勝ったわけです。霧馬山としては荒篤山に負けて昇進が危なくなったところで,蒼国来が勝った事で,昇進待ったなしという事になりまして,うちの一門としては理想の今場所になったわけです。本当に今場所はなんと言いますか,初場所から一年良いふうに回っていくんじゃないかな,と。そして荒篤山が8枚目で5勝。これは来場所まぁ,好成績であれば,もう一人関取が出るというところまでいきますので(拍手),まぁ頑張って欲しいと,本当にそう思います。

それから・・・(若隆元の顔を見ながら)・・・もう,ここらで止めておこうか。長くなってもあれですので。

これで,私の挨拶と代えさせて頂きます。どうも,ありがとうございました(えええ!)

若隆景

十両 東8:7勝8敗

今場所は1勝6敗になった時は流石に,これはなんとかしなきゃと思いました。まぁ,そこからなんとか最終的には7勝8敗で終えられたので,まぁ悪いなりに良かったというところですかね。

場所中に何が変わった? そうですね,気持ちの持ち方でしょうね。前半は勝ちたい,勝ちたいという気持ちが強くて結果的に悪い相撲が多かったんですけど,途中から「負けてもいいから思い切って取ろう」と切り替えたんです。そしたら立ち合いから一気に相手を持っていける相撲も何番かありましたし,そうですね,後半の相撲は良かったと思います。

十両の土俵の雰囲気にも慣れてきました。兄・若元春の昇進?そうですね,自分も負けないように,これからもお互い切磋琢磨して頑張っていきたいと思います。

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蒼国来

十両 西12:8勝7敗

今,荒汐部屋がアツいアツい! ゴーシ(若元春)があんなに頑張ったからね。特に幕下勢に火が付いちゃって。ヤバイよ。ジャスパー(荒篤山),大波(若隆元)が5番でしょ。燃えてる。おかみさんからは「エンクーの場合はお尻が燃えてるでしょ?」って。ははは。誰か消火器持ってきて。

若元春? あいつはちょっと相撲が分かってきたんだよ。”力を抜くこと”を,ね。九州から帰ってきて,稽古場で見てて「何か掴んだな」って思った。相撲は力と力の勝負だけど,ガチガチじゃ力が伝わらないんだ。立ち合いは肩の力を抜いてリラックスすること。力を入れない方が,力が入る。不思議だよね。あいつの場合,体が変わったわけじゃない。体重も増えてない。つまり元々自分が持ってた実力をようやく使えるようになったってこと。今場所は全勝したって事よりも相撲内容が良かった。私はそこを評価していますよ。あいつはこれからまだまだ伸びる。私も若隆景もうかうかしていられない。

私も千秋楽勝ってなんとか勝ち越すことが出来て,良い場所になりました。足の方も徐々にですけど良くなっています。今後とも応援よろしくお願い致します。

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若元春

幕下 西3:全勝優勝

photo:ありがとうございます。ようやく・・・という感じですね。

蒼国来関が今場所の相撲内容を誉めてた? 本当ですか? 嬉しいですね。直接誉められることは,めったにないんで(笑顔)。

今場所は前に攻めることができたと思います。あと自分,前から上手をガバっと取りにいってしまうクセがあって,これまで何度も何度も親方や関取にそのクセを直すように言われていたんです。それが三日目の相撲では①下手切って→②おっつけて→③上手を取るっていう稽古場で何度も意識してやっていたことがようやく本場所で出来たので,嬉しかったですね。それも無意識に体がそう動いてくれました。「おー自分もこんなことが出来るようになったんだ」って,後で何度も何度も映像観なおしてしまいました。

25歳での新十両? そうですね,遅いと思います。自分が描いていたイメージでは25歳の時には幕内を狙ってるくらいの位置にいたいと思っていました。実際,同級生で幕内で活躍している力士もいますし,自分より後に入ってきて幕内上位で活躍している力士もいるわけですから。上には上がいます。十両に上がれることは嬉しいのは嬉しいですけど,ここで満足していちゃいけないと思っています。あくまで,通過点にしないと。

これからも更なる上を目指して,純粋に相撲に集中して稽古に精進していきたいと思います。これからも応援よろしくお願いします。

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荒篤山

幕下 西8:5勝2敗

そうですね,「相撲が取れるようになってきた」という感じがします。

何が変わった? 今まで,ある関取の相撲を見ていて「どうしてあういう相撲が取れるんだろう?いつか教えてもらいたいなぁ」と思っていたんです。それで昨年九月場所後に巡業に行くことになったんで,「今がチャンスだ」と思って,思い切ってその関取に「教えて下さい」って聞きに行ったんですよ。そしたら「あ,いいよ」って快く教えてくれて。知らない関取に聞きにいったのは初めてです。具体的に何を教わったというと,ヒジの使い方です。その一点です。それからヒジのことだけを意識して。巡業中はまだ分からなかったんですけど,福岡から帰って部屋で稽古してた頃ですね,「あ,何か分かってきた」っていう感覚があったんです。本当にヒジ一点なんすけど,そこを意識していたら,押せるし,残せる。そしたら蒼国来関がその辺りをちゃんと見ていて,誉めてくれて自信になりました。

周りから「若元春の次は荒篤山」と言われていますし,はい,自分もそうなりたいと思っています。

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若隆元

幕下 西40:5勝2敗

“今の心境”っすか・・・?し・心境・・・。何も・・・ないっす。

早川 「・・・顔を見ていたら,だいたい分かります。」

あ・・・まぁ,そうですね。そういう事です。

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常川

三段目 東64:2勝4敗1休

今場所は「善戦した」と言いたいところですけど,また怪我をしていましたからね・・・。2勝3敗で迎えた6番目。(以前から痛めている)右肘が下手に入って,強引な投げに行ってしまいました。相手が極めるような小手投げで残して,最後は叩きで負けてしまいました。「ここで3勝3敗の五分に戻して勝ち越したい」という気持ちから,焦ってしまった部分もあったと思います。

肘の事は明日病院に行って先生とよく相談します。また出直します。

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寛龍

三段目 東73:3勝4敗

え? “無事之名馬”? あ,ありがとうございます。今場所も怪我なく終えることができました。

あ,はい,そうですね,入門してから10年(65場所)連続出場です。え?(今場所優勝した)玉鷲関は15年連続出場?ひょえ~!!!

でも本場所は今でも緊張しっぱなしです。はい,以前は親指の付け根を噛んで緊張を和らげるようにしていましたが,最近は違います。花道で土俵に向かう時に,頭の中で唄を歌うんです。「こんなこといいな♪・・・できたらいいな♪・・・」

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飛騨野

三段目 東96:3勝4敗

完膚なきまでにやられました・・・。いいところが見つからない・・・。立ち合い強く当たろうとしてるのに当たれない・・・。内容ダメ・・・。何やってもうまくいかない・・・。どこをどうしたらいいのかも分からない・・・。

場所前は勝ち越す気マンマンだったんですよ。幸先良く初日勝ったのでゲンを担いで「なるべく白いものを食べよう・・・」ということでうどんを食べる。でも次に負けたので,はたまた「なるべく白いものを食べよう」と思ってサンドイッチを食べる。その次また負けたので,「ゲン担ぎはやめて自分の好きなことをしよう」と切り替える。結果は・・・泥沼の3連敗。

昨年は一年間ほぼ三段目に定着していたのに,また序二段に逆戻り・・・。課題は・・・メンタルですね。部屋の幕下勢が頑張っていますので,自分もまだまだ上がっていけると信じてガンバリます。

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廣瀬

序二段 西44:3勝4敗

順調ですよ。順調に体重減っています。

これから(若元春の昇進で)関取3人になったら,付け人忙しくなりますね。自分も部屋の仕事頑張らないといけません。自分の立ち位置ですか?もっぱら内海さん(元・荒獅子,マネージャー)のサポートです。はい,ちゃんこも作っています。おススメの一品?そうですね・・・最近は「冷や飯のリメイク」ですね。うちの部屋では序二段以下は冷や飯を食べることになっているんですけど,三段目以上が多いので冷や飯が残っちゃうことがあるんですよね。でもお米を捨てちゃうなんて,もったいないじゃないですか。そういう時は,リゾット,チャーハン,雑炊等々,「冷や飯のリメイク」をするんです。同じリゾットでもトマト味,カルボナーラ風などバリエーションを持たせて。「主婦の知恵」ですね。

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綿谷

序二段 東82:4勝3敗

早川「今日は元・突光力さんが遠路はるばる駆けつけてくれました。せっかくなので,平成31年一月場所の今場所を振り返っては『元・突光力によるスペシャルインタビュー』という形でお届けする,というのは如何でしょうか?」

突光力「あ,全然いいっすよ。」

早川「では,綿谷さんから。」

突光力「おー綿谷,どうだった?」

綿谷「ど,どぉ・・・?」

突光力「4勝3敗だった原因は?」

綿谷「げ・原因・・・?」

突光力「なにが悪かったん?」

綿谷「・・・・・・・・。」

※平成31年一月場所 今場所を振り返って 「元・突光力によるスペシャルインタビュー」 完。

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丹治

序二段 東95:3勝4敗

おかげさんで,千秋楽に髷を結ってもらいました。皆さんからコンパチ頂いて感謝です。

初めての髷の印象? 髪の毛が引っ張られて痛いです。でも,それ以上に今は心が痛いです。初日から3連勝,そしてまさかの4連敗・・・。自分としては今場所は6番くらい勝ってるイメージでした。3連勝した時点で安心してしまったところがあるかもしれません。勝ち越してもいないのに気を抜くところじゃないですよね・・・。場所が終わるまで気を抜いちゃいけないってこと。勉強になりました。

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