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平成26年 五月場所を振り返って (1)

(その2~5は,早川様のインタビューでお届けします)

師匠・荒汐(49勝43敗:勝率5割3分)

私から話すことはあまりありませんが,少しだけお話しておきますと,今場所は12人中9人勝ち越したので(ドヤ),そのことだけご報告申しあげましてご挨拶とさせていただきます(拍手)。

さて,まず蒼国来Facebookページに本人のコメント]ですが,勝ち越しました(超ドヤ)。ちょうど1年で定位置に戻りました。photo

中盤戦までに8勝できました。そして今日8勝7敗で終わりました。ここで課題がはっきり見えてきました。もう立ち合いがダメです。鋭く力強く,というのがない。あれじゃあ十両の立ち合いです。これからこのままでは上には上がれません。はっきり言っておきます。

では何が違うのか。ひとことで言えば,前に圧迫する力がない。これがあればもう少し相手の土俵で相撲がとれるんですが・・・。これができれば,間違って小結くらいはなれます(キッパリ)。あの,私のことを話しますと,私は9枚目で11番勝ちました。その時,大潮さんが少し上にいて9番。どっちを上げるんだってことになったらしいんですけど,まあ私が上がって,翌場所,肋骨折って――言い訳ですけど――大負けして落ちました。もうそんなことはいいんだけれど,とにかく1回でもいいから,とりあえず三役上がれ! そのためには立ち合いを直さないと。そうじゃなきゃ,いいカモになる。だれも怖がりませんから。

次に福轟力ですが,もう私の指導が至らないのが一番なのですが,正直なところ,私もわからないんです,まわしを取って相撲を取る人間でしたから。福轟力は頸椎を痛めて以来,頭からは行けない。その結果,立った瞬間に,膝は伸びる,腰は伸びる,顎は上がるで,相手に力が伝わらない。これを根底から直さないと,十両にはとてもじゃないけど上がれません。来場所だって勝てる保障はない。

これを直すには? すり足やってるときは膝が曲がってるんです。テッポウやってるときも膝が曲がって,顎も引いてやってる,もう首が悪いってのはぼちぼち言い訳にならない。稽古はものすごくやってるんです。サメみたいに止まったら死ぬんじゃないか,ってくらいやってる。それはみんな知ってるよな(弟子一同同意)。なのにどうしてダメなのか? 相手に力が伝わってないから。その1点なんです。

大波は今場所なんとか4番勝ちましたが,その内容は,私が常々言っているものではありません。差したらダメってわかってるのに差しに行って,土俵際で辛うじて勝つみたいな相撲で。大波も蒼国来と同じで,立ち合いが・・・。思い切って当たって,それから何かするならいいんだけど。あ,勝ち越したんだから,あんまりけなすこともないか。photo

剛士は勝ち方はいいんだけど,もっと右手右足を使えばもっと勝てます。それをもっとな。なんたって剛士は稽古しないから(大苦笑)。

荒篤山は,勝ち越しましたが,正直言って私は5番は勝てるかなって思ってました。今場所の荒篤山の相撲はあんまり見てなかったから何とも言えないんだけど,相手と決まり手を見ればなんとなくどんな相撲かは想像できるんです。あんまり良くなかったんだな(荒篤山:はい)。photo

そして寛龍。寛龍はもう,ダメ! 自分の仕切り線より前でまったく相撲をとってないもん。それをどうするかもっと考えないと,ここから上には行けませんよ。これは陸奥部屋の親方衆からもみんなから言われてます。自分で直さなきゃ。photo

廣瀬はちょっと家賃が高かったかな。いや,俺が買った雪駄が高かったか。前に出ることをもうちょっと覚えなきゃな。

あ,時間とりすぎだな。次,力山。お前はもうちょっと辛抱強く相撲とらにゃな。

荒行志は,今場所6番勝ったけど,もっと前に出て。決まり手を見ても,押し出しとか寄り切りとかそういうのが全然なくて,投げばっかり。どうしてそうなるかと言うと,稽古場でぶつかり稽古と四股が足りないんです。押す力をつけてない。

常川飛騨野は,このまま一所懸命やりなさい。飛騨野は顎が上がってるから顎を引いて脇を締めて,一所懸命やって下さい。

あとは,突光力か。突光力は評価が難しいなぁ。まあ怪我をしないように,もっと膝を開いて。三段目にいたんだから,あんな下じゃなくて,もうちょっと上がって。

それから床山・床光と,行司・式守一輝も一所懸命やってますので,今後ともどうぞよろしくお願いします。

長くなりましたが,これをもちましてごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。

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