お待たせをいたしました。今場所も,千秋楽打ち上げより,早川様によるインタビューで荒汐部屋勢それぞれの総括を一挙にお届けいたします。
本日はお集まり頂き誠にありがとうございます。
まずは蒼国来なんですが,まぁ・・・何と言ったらいいんでしょうか。勝ち越したから言えるんですけど,私としては,10番は無理だとしてももう一番くらいは勝ってくれるかなと思っていました。まぁ・・・何はともあれ,千秋楽で勝って勝ち越しという結果で終わりました。
次に番付は飛びますけど,常川が今場所序二段6枚目で4番勝ちましたので来場所は確実に三段目に上がります(拍手喝采)。休み明けには一緒に両国へ雪駄を買いに行って,ついでに二人で一杯飲もうかなと思っています(拍手喝采)。
それから荒篤山。荒篤山は幕下から落ちてここ2場所は三段目におりましたけど,5番勝ちましたので来場所は幕下に戻ります(拍手喝采)。それから福轟力。おい,お前も幕下戻れるのか?(福轟力:『はい,戻れます』)ギリギリか?(福轟力:『いえ確実に戻れます。』)そうか,ははは(拍手喝采)。
まぁ,あとは大波です・・・。3場所負け越して先場所勝ち越して元の位置に戻ってきてまた負け越し。またしても心の病気が出ました。稽古場で何回言っても,こうなるとどうもなりません。本当に頭が痛い兄弟です。
まぁ,今場所はそんなところですね。勝ったり負けたり。急激に番付を上げた力士もおりませんし。こんな成績なのにこれだけ大勢の方に集まって頂き応援して頂いていること,本当に感謝の気持ちで一杯です。これから更に精進して参りますので,今後共,応援何卒よろしくお願い致します。
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今場所は悔しいの一言ですね・・・。特に3勝2敗までいっての負け越しですから。
場所前は調子良かったんすよ。稽古場での相撲が取れれば勝ち越せると思ってたんすけど,問題は稽古場の相撲が本場所で全然取れないことなんすよね。もう土俵に上がる時点でガッチガチ。部屋に戻って自分の相撲観ても,明らかにガッチガチ。関取に頂いたアドバイスは「余裕持っていけ」。
これまで通りの稽古でいいのか,稽古内容を変えるべきなのか・・・。悩むところですよね。場所後の休みは,一人で温泉でも行って空でも眺めていたいです。
反省の場所ですね。成績,内容もそうなんすけど,自分自身のメンテナンスという意味でも。
相撲内容は,力み過ぎてバタバタ。関取には「力を抜いて,相手の力を使うような相撲を取るように」と教えて頂きました。稽古場で関取の相撲を見てると,「あぁ,こういうことなんだな」って思うんすけど,自分でそれを実践するのは難しいっす。
体のメンテナンスという意味では,痛めた時にすぐケアをするとか,日頃の小さな努力が後々にひびくんだな,と思いました。
今場所「付け人長」とも言うべきリキさん(力山)が休場して,3人の中で付け人経験が一番長いのが自分だったんで,自分が「付け人長代理」みたいな感じでした。でもこの「付け人長」と「代理」の間には,デッカイギャップがありますからね。自分はリキさんみたいに,パパパとやって,パパパと教えたり出来ないっすからね。
そんな頼りない付け人なんですけど,千秋楽には関取の懸賞金を頂きました。初めてだったし,うぉぉぉー!ってなりましたね。嬉しかったです。
5勝2敗で良かった,とは思ってないっすね。番付も落ちてるんで,ここで勝てなかったらヤバイっすよ。
今場所は考え方変えました。それで全然緊張せずに取れたんです。前はこれで勝ったら3勝2敗になる,とか,取組前から星勘定してたんですけど,それを止めました。頭を真っ白にして目の前の相撲に集中する。その結果,立ち合いも良くなったんだと思います。
大事なのは来場所です。幕下でそういう相撲が取れるか。よく「元幕下力士だから三段目で勝って当たり前」みたいなこと言われるんすけど,自分幕下で勝ち越したことないんで,まだまだ幕下力士って言えないと思うんすよ。ホント,大事なのは次っすね。来場所!
ありがとうございます。まぁ,番付が下がってるんで,今場所は勝って当たり前という気持ちで臨みました。欲を言えばもう一勝したかったところですけど。今年の五月場所は全休でしたから,久しぶりの国技館でとりあえず5番。まぁ,最低ラインはクリアと言ったところですね。
相撲内容も少しずつ良くなっていると思います。今場所の立ち合いは基本頭からいってたんですけど,相手によって変えたりして。まぁ,今は本場所の相撲うんぬんというよりも,稽古場でいろいろと考えながらやっています。本場所はその後に付いてくる結果という感じですね。え?”福轟力の理想の相撲”っすか?相手を圧倒する相撲。”福轟力の目指す型”っすか?前に出る相撲。
周囲: 「それはみんな同じでしょ。」
え?・・・”福轟力の相撲スイッチの入れ方”ですか? 質問の意味が分かんないっす。自分いつも相撲スイッチはオンの状態なんで。稽古場から離れてもいつも相撲のこと考えてる。頭の中24時間,相撲。番付発表で更にガーっと加速する。
廣瀬: 「自分の場合は逆っすね。日頃,稽古以外はスイッチオフにしてます。いつもオンだと肝心な時に力が出ない気がするんで。オンに入るのは花道歩いて土俵に向かう辺りですね。スイッチオン!それまでは脱力。」
突光力: 「自分は赤井さん(福轟力)と同じっすね。いつもオン。番付発表でガー。土俵上がったらテンション雲の上。相手をなぎ倒したる!!!ギラギラ。」
まぁ,唯一のオフといえば,今ですかね。千秋楽の夜からの休み期間。明日からは福島に帰ります。誰か遊んでくれる人いるかな~。福島では長年体のケアをしてもらっている方もいるし,しっかり心身休めて,また来場所に臨みたいと思います。
全然明るいっすよ。見て分かるっすよね?この約1年間(5場所連続勝ち越しで)いい夢を見させてもらったな,その夢から覚めたんだな,って感じです。
連敗中はピリピリするじゃないですか。空気が読めない白石(床光)は5連敗した辺りで,「吉田さ~ん,大丈夫っすかぁ?そろそろヤバくないっすか?」って!!!こんにゃろ!!!思わず白石持ち上げてぶん投げそうになりました。
いろんな人に心配してもらって,すごい数のメール頂きました。こっちからは「大丈夫です!」「どっこも悪くありません!」って。そう言うしかないっすよね。実は自分,初日からの連敗スタートって入門してから2回しかないんですよ。初日負けても次に勝てる。それが実はちょっとしたプチ自慢で。連敗スタートは4年振り。今場所はもうどこまでいっちゃうんだろうって感じで。周りから見れば「家賃が高い」とか実力不足とか思われたと思いますけど,6連敗までいっちゃうともう心も体もバラバラでどうしようもない状態ですね。でも最後まで諦めずに本場所を勤めたこと,清々しい気持ちがあります。
4連敗で負け越しが決まった辺りから,赤井さん(福轟力)から「ひょっとして全敗しちゃうんじゃないの~?」的ないや~な空気が漂ってきて,部屋帰って結果報告するたびに目つきがいや~な感じでした。
福轟力: 「思い込みだよ。オレは心の底から勝って欲しいなと思っていた。(流し目キラリ)」
絶対ウソ!このニヤニヤ見たら分かります。6連敗目の相撲では,自分40何枚も上の力士と当たって,土俵下で赤井さんが見てたんすよ。その赤井さんの目つきがまたナントモ言えない感じで・・・。
早川: 「その時福轟力さんはどんな気持ちで突光力さんの相撲を?」
福轟力: 「自分のことなんかそっちのけで,心の底から勝ってくれと願っていました。(流し目キラリ)」
絶対ウソ!ありえない。この目!こっちは心乱されました。・・・って言うか,早川さん!このグダグダインタビュー自分で締めてもいいっすか?
実は最後に勝った相撲で,泣いたんです。勝った瞬間にお客さんがワーって沸いてくれて,おめでとう!とかあちこちから凄い声援もらいました。全部耳に入ってきました。こんなに応援してくれた人がいたんだなって,感動しました。花道引き上げる時に,涙が込み上げてきて止まらなくなって・・・。1勝することがこんなに嬉しいことなんだって。一勝の重みをかみ締めた場所になりました。
無理してでも出たかったすけど,なにせ足があまりにもお見苦しい状態で・・・。病名見ました?コーサンキューナントカナントカ・・・てやたら長い病名(=好酸球性多発血管炎性肉芽腫症)。名古屋で発症した足の症状が全然良くならなくて,場所後にも改めて検査にいきます。
今は周りのこと考えてる余裕なんて全然ないっすね。敵は自分。まずは足のこいつをやっつけられるよう,治療に専念します。
今場所は力が出なかったすね。相手に力を出させてもらえなかったというより力が出なかったという感じです。とりあえず1勝出来て良かった・・・。
ところで力士って怖い顔の人多くないですか? 自分の場合,まず入場する時に相手をチラ見して「うわ,デカ!!」とビビる。顔を見ると更にビビるんで,土俵下では相手と目を合わせないように目線をそらしています。土俵に呼ばれて塵を切ってる時もなるべく相手の廻しから下を見てます。前に対戦したことがある相手でも「あれ,この人と当たったことあったっけ?」と記憶にない。だって顔見てないんで。話したことがある力士は性格は怖くないと知ってるんですけど,顔が怖い。
(荒汐部屋の二階屋根の辺りを眺めながら)最近鳥がいなくなっちゃったんですよね。換気扇と屋根の間に巣を作って鳥が住みついていたんですけど。うちの部屋は普段ギャーギャー騒がしいですからね。鳥も,思ってたのかなぁ,「うるさいなぁ,大波,ジャスパー!」って・・・
はい,嬉しいっすね。初めて三段目で勝ち越すことが出来ました。三段目定着を目標にしてますし,やっぱり勝ち越すことが出来て本当に三段目力士になれたって気がします。
そうですね,先場所負け越しても「押せてる」実感はありましたし,場所前には道場(時津風部屋)に出稽古に行って,普段稽古する機会のない力士とかとも良い稽古できました。2日行ったんすけど,気づいたら一門の部屋から全員来てるみたいな感じで,連合稽古みたいでした。やっぱり部屋以外の力士と稽古すると,なんかこう”バチバチ感”が違うじゃないですか。内容も濃かったし,楽しかったです。
やっぱり今場所の勝ち越しは自信になりますね。これからも荒汐部屋の徳島代表として,”富山代表の常川”と一緒に切磋琢磨して上を目指して稽古に精進したいと思います(隣の席にはもう一人の富山出身,飛騨野が)「え?」。
周囲: 「ぶーちゃん,飛騨野忘れてるの?!勝ち越して舌も絶好調!ひど~い!」
良かったです・・・。入門2年半で三段目に上がれそうです。
今場所は前半良かったんですけど,途中2連敗があって,ヤバイって思いました。その次の相撲に勝てたのが大きかったと思います。もしあそこで負けて2勝3敗になっていたら,気持ち的に追い込まれて立て直すのは難しかったと思います。
それから今場所は初めて関取の付け人を仰せつかって,その仕事の方で頭が一杯でした。巡業にも付いていく事が決まっていますので,関取の化粧回しの締め方,明け荷の締め方など,覚えることが一杯で。
(同じく今場所付け人を務めた)突光力: 「まぁ,ツネちゃんはよう動きますわ。仕事デキます。中日越えた辺りから一杯一杯で,息は荒いし,顔は死んでたし。場所入りの時,横歩いてたツネの顔見たら両目つむって,半分寝ながら歩いてたっすよ。今場所の常川の勝ち越しは想定内かって?いや,『想定内』ってちょっと違います。勝ち越さないきゃおかしいって話っすよ。『稽古はウソつかない』って言葉がウソになってしまう。自分は3年かかった三段目。ツネは2年半。ホント,やりやがったっすよ,やりやがった。おめでとう!」
嬉しいような,悔しいような・・・。
今場所の五番目の相撲で叩き込みで敗れた時に,土俵に手をついた右手の人差し指が腫れてきました。翌日になっても腫れがひかなかったので,国技館の診療所に行きました。そしたら,診療所のテレビにたまたま常川の取組が映っていました。お,常川だ!今日勝ったら勝ち越しだ,と思ってたら,先生から「骨折してます」と。え?と思った次の瞬間テレビから「つね~かわ~」と常川の勝ち名乗り。常川勝ち越し。来場所の三段目昇進決定・・・。 つまり,自分の骨折報告と常川三段目昇進を同時に聞いた瞬間でした。呆然・・・。
結局骨折してから2連勝で5勝2敗。骨折で廻しを取らない押し相撲に徹した結果,という訳ではなくて,なぜか寄り切りで勝ったりしてます。ナゾ。
まぁ,常川には三段目レース先を越されてしまいそうですけど,歴史を見ても,局地戦で負けて大局で勝つという事象は多々あります。今場所は川中島の戦いのように,自分の軍配で命を守らなければならないほど追い詰められて軍師・山本勘助までも失うくらい厳しい戦いでしたけど,それでもまだまだ戦いは終わっていません。劣勢は否めませんが,挽回できるよう一層士気を高めて参ります。
はい,ありがとうございます。初めての勝ち越しはとても嬉しいです。
今場所は前半緊張していたんですけど,なるべく相手を見ないようにして,土俵に上がったら優勝額を見上げるようにしたら緊張しなくなったので,それを意識していたらあまり緊張しないで取れました。それで後半良くなったんだと思います。
まだ稽古場では四股・腰割りが中心で,先輩方の稽古の合間にぶつかり稽古をつけてもらっている段階です。今場所は,場所前に伊勢ノ海部屋から自分のように入ったばかりの力士達が出稽古に来て,そこで初めて相撲が取れたのも良い経験になりました。
荒篤山: 「綿谷はホント真面目に稽古しますよ。ひたすら四股・腰割りを何時間も続けるのって,すごい地味じゃないですか。飽きちゃうから大変なんすよ。でも綿谷は黙々と続けてますからね。よくやってると思います。このまま続けていけば良いと思います。」