荒汐部屋 目次

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師匠・荒汐 45勝42敗(勝率:5割2分)勝ち越し7名

photo: (以下,千秋楽パーティーのご挨拶より)皆さんこんばんは。本日はお忙しい中ご出席を賜り,ありがとうございます。

え~今場所は,まぁ~皆さんご覧の通り,蒼国来が‘心ここにあらず’みたいな相撲ばっかりで,終わってみれば4勝11敗。まぁ~幕下以下だったら4番勝てば勝ち越しですけれども(笑),まぁ~そうはいかないものですから。

まぁ~それはそれとしてですね,私としては今場所は若元春が頑張ってくれたな,と(拍手)。負けた相撲も,ひょっとしたらあの二番も勝ててたんじゃないかっていう相撲で負けています。少なくみてももう一番くらいは勝ててたんじゃないかな,と。その背景には弟(若隆景)がいるんじゃないかな,と。私が一番心配していましたのは,相撲にあまりそういう持ちがないのかな,とそういうふうに思っていたんですけども,弟が入ってきて,番付も抜かれてようやくそういう気持ちが出てきたか,と。そんな風な相撲が今場所見られました。それが今,一番安心しております(拍手)。

それから私事で大変申し訳ないのですが,私今場所体調不十分で,全く稽古場に顔を出していないんです。それで今場所7人が勝ち越しました。これでもしこれ以上勝ち越しが出てしまうと私の居場所といいますか,立ち居地がなくなってしまいますので(爆笑),まぁ今場所はそこそこで良かったのかな,と思っております。まぁ~そんなことで,私の挨拶とさせて頂きます。本日はありがとうございました。

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蒼国来(十両 東1)4勝11敗

photo: 場所前は思い切って,巡業を休んで体を治すことに専念しました。体はあちこち悲鳴を上げてるから,いろんな先生に相談していろんな治療をしてもらって,何より休むことが大事だということになって・・・。

巡業を休んでる身で出掛けるわけにもいかないから,部屋でおとなしくしてましたよ。休みの日に,部屋の若い衆がみんな出かけて,部屋に残ってるのは私と赤井(福轟力)だけってこともあったよ。普段一番部屋に居ないのは私だから,ヘンな感じでしたよ。赤井は引きこもり系だから,いつも部屋にいるけどね。ムギと同じなんだよ(笑)。

ガンガン稽古も出来なかった分,見る稽古をしてました。と,言っても「強い人の稽古を見て勉強する」って意味ではなくて,若い衆の稽古を見てました。場所前は親方が稽古場に来れないことが多かったんでね。今うちの稽古場は幕下が元気で,いい稽古が出来てますよ。弟(若隆景)が入ってきて,剛士(若元春)もちょっと変わってきましたよ。地力はあるから,これからますます楽しみです。あと技術的に言ってるのは右の使い方くらいかな。弟は負け越しなしできてるから勢いがある。これから対戦相手はもっと研究してきて,壁にぶち当たる時が必ずくる。上に上がれば,相手の悪いクセにつけ込んで攻めてきたり,相手十分の力を出させない相撲取ったり,本当にみんな研究してる。だからこれから壁に当たった時にどう乗り越えていけるか,が本当の勝負ですよ。

自分の相撲については,成績も内容もご覧の通りです。言い訳はしません。今場所後は巡業に行きます。またしっかり体を作って来場所に臨みたいと思っていますので,これからも応援よろしくお願いします。

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福轟力(幕下 東12)3勝4敗

photo: 思い通りにいなかなった・・・そんな場所でした。

久々に幕下上位に戻ってきて,やっぱり場所前は「大負けするんじゃないか」と,不安はありましたね。でも二連勝でスタートできて,このままの流れでいきたかったんすけど。やっぱり上位にくると相手の「圧力が違う」「自分の力を出させてくれない」って,相撲を取りながら思っていました。自分の場合,取組前の前日には頭でシュミレーションして流れを決めておくんすけど,今場所は全然自分の思った通りの相撲を取れなかったんすよね。今場所は7番中,6番が元関取経験者。まぁ,それを意識することはあまりなかったんですけど,やっぱり相手の方が強いんで,立ち合いで自分の圧力が十分に伝わってない。悪いクセで,引いちゃう相撲もありました。自分の力を出し切って負けるのと,自分の力を出し切れないまま負けるのって,悔しさが違うんすよね。今場所負けた相撲は全部悔しい。

逆に,今場所一番良かった相撲は六番目の相撲ですね。「間の取り方」が良かったんで。いなして崩したところを相手が引いてくれて,そこをついていって押し出し。良い流れの中でのいなしは有効だと思うので,自分の流れで相撲が取れるように,とにかく前に出る圧力を強くできるよう,また稽古に励みます。

え?自分を動物に例えると何かって?全然分からないっすよ。そんなこと,今聞かれるまで考えたこともなかったんで。

若隆元: 赤井さん,それはウソっすよ!!いっつも赤井さん言ってるじゃないっすか,「俺は猫だ,前世も絶対に猫だ」って!!

福轟力: 言わないで。。。

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若隆景(幕下 東16)4勝3敗※勝ち越し

photo: 勉強になりました。関取経験者とも何番か当たりましたし。立ち合い,当たり,スピード,すべてが全然違いました。豊ノ島関と当たった時は全然力を出させてもらえないまま負けてしまって,あの相撲は一番印象に残っています。その二日後,豊ノ島関から声をかけてもらって,「オレとやるからって固くなっちゃダメだよ。同じ土俵に立ってる相手なんだから,固くなる必要全然ないよ。」って言ってもらって,それから肩の力が抜けて勝ち越せた気がします。

(今場所,二人で付け人を務めた常川と労い合う。)

photo:常川: 頑張ったなぁ,オレたち平成6年生まれ。
若隆景: 自分は足引っ張ってばかりで。
常川: いやいや,そんなことない。渥はこっちが気づいてないところを気づいて動いてくれる。
早川: お互いを補い合う名コンビってことだね。仕事が早いのはどっち?
若隆景: そりゃ~常川さんですよ。
常川: いやいや,渥ですよ。
早川: 仕事がデキルのはどっち?
若隆景: そりゃ~常川さんですよ。
常川:  いやいや,渥ですよ。
早川: お互いを動物に例えると何?
若隆景: 常川さんはタヌキ!
常川: 渥はキツネ!

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若元春(幕下 西18)5勝2敗※勝ち越し

photo: 今場所は60点くらいです。全然満足してません。

「5番勝てた」っていう意識は全然なくて,最低でも6番は勝ちたかったです。親方も言っていたように,負けた相撲も攻めることは出来てたんで。最後の詰めのところなんですよね。悔しい。

そりぁ,渥(若隆景)に番付抜かされたことはクソ腹立ちますよ。置いていかれるつもりはありません。でも,今場所それ以上に悔しかったのが,親しくさせてもらってる力士仲間が気がついたら今場所,幕内・十両で大活躍したことです。金星取ったのは自分より歳が下だったりするんで,「いったいオレは幕下で何やってんだ???」と。彼らの活躍は嬉しかったんですけど,その倍以上に悔しいっていう・・・。こういう気持ちは何て表現したらいいんスか?ちょっと言葉が見つからない複雑な気持ちを味わいました。だから,実は渥の存在よりも彼らの活躍の方が刺激になったんですよね。一緒に隣で優勝の表彰状持って写真に納まりたかった。それが本音です。

今場所一番嬉しかったのは豊ノ島関に勝てたことです。同じ一門の大先輩で,自分が入門した時はずっと幕内上位にいた遠い遠い存在でしたから。土俵に立った時も,やっぱり他の力士とはオーラが違うっていうか,独特の空気感を持ってる人でした。ピリッピリ。相撲はバタバタしたっすけど,足は出てたし,離れてからも,押しを残せたし,二本差せたのが良かったです。まさか当たるとも思っていない人に勝てたんだから,そりゃテンション上がりますよね。土俵の上で思わず笑っちゃいたくなるくらい。

え?自分を動物に例えると,ですか?え~なんだろ・・・。

若隆元:お前はクマだろ。だって,クマは見かけは強そうに見えて,実はすっげービビりなんだよ。鈴の音にもビビるっていう。それにクマは逃げるヤツを追いかけるのは早い。お前も実際めっちゃビビリだし,渥を追いかけるの早いじゃん。

はい,自分はクマっすね。さすが,兄は弟のことよく分かってます。

後編につづく >

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