皆様,お元気でおすごしでしょうか。
ありとあらゆる可能な限りの対策をとる中で,ようやく開催にこぎつけるこのところの本場所。久しぶりの名古屋となった七月場所もなんとか全員つとめあげ,そして九月場所に揃って挑もうとしている荒汐部屋勢。先場所の感想と今場所への意気込みを,おなじみ早川様によるオンラインインタビューでお届けします(写真は,外出禁止期間が長く滅多に行けない外食のよろこびほか,荒汐部屋撮影)。
ちょうど夏休みも明けて新学期というタイミングなので,「一番印象に残っている子供の頃の夏休みの思い出は?」も聞いてみました。
新三役の場所。そうですね,いつも通りの気持ちで場所に入って,体も動いていたかなと思います。千秋楽に協会ご挨拶で土俵に立てたり,勝った後に,弓矢を受け取ったりというのは良い経験になって,勉強になった場所でした。
九月場所に向けては,体調面も稽古内容も良い感じで調整できてきていると思います。先場所の経験で,さらにしっかり稽古しないといけないという気持ちが強くなりました。また三役に戻ることを目指して,臨んでいきたいと思います。
そうですね,名古屋でも東京でも,どこにも出かけられていませんね。え?「若隆景関のステイホームの楽しみ」ですか? 週刊漫画雑誌の発売日です!
一番印象に残っている夏休みの思い出は――祖母の家での桃出荷の手伝いです。
それから,協会のほうで「人気10力士,リバーシブル等身大タペストリー」をオンライン予約受付中です。「若隆景」もありますので,どうぞよろしくお願いします。[予約申し込みフォーム]
実は名古屋場所前に扁桃炎にかかってしまって,食事が全然ノドを通らなくなってしまったんですよね。それで一時期体重が10kgも減ってしまったんですよ。それでも初日までに何とか3kg戻して,合計7kg減で入ったんすけど,やっぱり初日はコワかったすね。実際前に出るのも,後ろに下がるのも軽かったですし。その分,横の動きは素早かったかもしれませんけど,そもそも自分,横に動き回る相撲じゃないっすからね(苦笑)。後半負けが込んでしまったのはやっぱり体重が減ったことで体力的にバテたんだと思います。気合で乗り切った感じですね。
そんな名古屋場所は結局最後の相撲に負けて7勝8敗。今場所,番付が変わらなかったのは番付運に助けられたと思いますけど,やっぱり「あと一番」勝って番付を上げていきたいですよね。体調の方はもう万全で,10kg減った体重もバッチリ戻ってきました。「あと一番」の大切さ。今場所はこれを大事にしていきたいです。
一番印象に残っている夏休みの思い出は――あづま運動公園でのトレーニングです。
新十両の土俵・・・。そうですね。初めての化粧廻し。初めての締め込み。初めての土俵入り。初めての15日間。反省。勉強。たくさん詰まった15日間でした。
今年の名古屋場所はいつもより一週間早く始まったので,急ピッチの準備。番付発表の後,すぐに稽古場で新しい締め込みを付けました。そこから馴染ませるために本場所までずっと締め込みでの稽古。なので自分,白廻しはほとんど締めてないんすよね。締め込みって固くて最初はなかなか体に馴染まなくて,あれって,汗をかいて使い込んでるうちに不思議と自分の体に合ってくるんですよね。初日には大丈夫と思っていましたけど,実際「あ,体にしっくりくる!」と思った時には終盤の14日目,千秋楽になってました。
初日の相撲は相手に前廻しを取られて呆気なく負けてしまったんですけど,自分としては土俵入りのことで頭が一杯でしたね。どちらの足から土俵に上がるのか,どちらの手で化粧廻しを上げるのか,とか。いろいろ覚えなきゃいけないことが一杯で。部屋で若隆景関や若元春関にも教えてもらっていましたけど,実際土俵入りの直前まで支度部屋で周りの関取衆とかに確認の為,聞きまくってました(苦笑)。
あと,14日目には「十両最後の土俵」で取ったすけど,自分,場内アナウンスの「十両,最後の取組であります」が終わるまで蹲踞していないといけないことを知らなくて,先に立ち上がっちゃったんですよ。取組の後で風呂場で,土俵下にいた関取から「アナウンスが終わるまで立っちゃいけないんだよ」って教えてもらいました。
相撲の方はやっぱり勝ちたいという気持ちが先に出てしまって,上半身ばかり前に出て,足が出ていなかったですね。悔しいのは土俵際引かれて負けた相撲。もつれた末に手をついてしまった・・・とかならまだしも,全部一度目の引きに落ちてるんすよ。中盤連敗もあって,切り替えたかったんすけど,15日間連続の相撲で,うまく気持ちを切り替えることも出来なかった。すべてが勉強の場所でしたね。
後半の連勝出来たことで,今場所は何とかこの位置(幕下2枚目)で踏みとどまることが出来ました。でも番付は意識しないで,ひたすら自分の相撲を取り切ること!先場所さらに,この気持ちが強くなりました。
一番印象に残っている夏休みの思い出は――親戚たちとみんなで行ったプールです。
そうですね,二場所連続で5勝で来ていますけど,星勘定は気にせずとにかく一番一番自分の相撲に集中することだけを考えて取ったのが良かったのかな,と思います。以前は緊張してカタくなって突っ込み過ぎることがあったすけど,それが少なくなったかな,とは思います。今場所は久しぶりの幕下上位ですけど,まぁ,余計なことは考えず,とにかく一番一番,自分の相撲に集中して。
名古屋場所の思い出ですか?宿舎でやったバーベキューですね。たまたま近所に元力士がやってる焼肉屋さんがあって,そこで仕入れた美味しいお肉でバーベキュー。楽しかったですね。
一番印象に残っている夏休みの思い出は――家族で行ったハワイアンズです。
実は名古屋場所前の稽古で足を捻挫していたんで,直前は全然稽古が出来てなかったんですよね。最高位だったということもあって,勝ちたい気持ちが先行してしまって,引く相撲とかもあったんで前半は結果も良くなかったですね。中盤三連勝で勝ち越せたのは,勝ちにこだわるんじゃなくて,落ち着いて取ろうと意識したのが良かったかと思います。一発で持っていく良い相撲もありました。
え?「今場所,丹治の見どころを一言で」ですか?えっと・・・勝ち越せるように頑張ります(←フツー!!!)
一番印象に残っている夏休みの思い出は――山形への家族旅行です。
名古屋場所は粘りの相撲で後半盛り返して何とか3勝3敗。勝ち越しがかかった最後の相撲は,最初自分が良いところを取れたので攻めていったんですけど,逆に相手に残られてしまって力尽きました。夏バテ。
新しい名古屋場所の宿舎は,とても良いですね。自分,神社とかお寺さんとか好きなんで。「となりのトトロ」の主人公の家みたいな,昔ながらの流し台は,おばあちゃんの家を思い出しました。自分,おばあちゃん子なんで。あと,近くに公園があるんですけど,そこは公園の中に神社もあって,とても落ち着く良い雰囲気。「あぁ,ここで三吉と散歩に来たら,三吉が喜んだだろうなぁ」と思っていました。
一番印象に残っている夏休みの思い出は――クラゲが襲ってきた人生初めての海です。
そうですね,名古屋場所と言えば,何と言っても5番目の相撲で脳震盪起こしたことですね。最後土俵際でもつれて,自分がうっちゃりに行って,200kgの相手が乗っかってきて,そのまま土俵下の床に頭から落ちちゃったんです。「ゴン!」って凄い音がしたって,後から聞きました。自分の意識ではすぐに立ち上がったつもりなんですけど,10秒くらい立ち上がれなかったみたいです。すぐに親方衆が集まってきてくれて,フラフラでしたが何とか自力で歩いて花道を帰りました。天井がグラングラン。
その日を安静に過ごしていたら翌日には何ともなかったです。大きな怪我にならなくて良かった!二日後に取組があって,(頭で)かますのは怖かったんですけど,中途半端な気持ちで行っては逆に危ないと思って,思いっきり頭から行って,押し出しで勝つことが出来ました。
今場所も怪我のないように。そして近々三段目の上位に行きたいです。幕下を狙える位置に行くこと。まずはそれが目標です。
一番印象に残っている夏休みの思い出は――小学生の頃,父親とラオスで経験したボランティア活動です。
久しぶりの地方場所。初めてお世話になった宿舎。ご住職も奥様も本当に良くしてくださって,「名古屋場所」全体の印象が変わってしまうくらい感動しました。周囲の住民の方々も「お相撲さんにコロナをうつしちゃいけいない」と配慮して下さっていたとも聞きます。はい,ホント良い所です。
自分の相撲は・・・サイアクでした。名古屋場所は三場所連続負け越し。今年に入っていまだ勝ち越し無し・・・。何よりダメなのが相撲内容・・・。全然前に押せない。三勝中,二勝が引き技・・・。全然自分の相撲じゃないです。周りからも「どうしてしまったんだ?」と心配されました。トホホ。
え?「九月場所の抱負」ですか?フッカツしたいんです!!!(昨年十一月場所に5勝した)あの時のように!!!
え?「今場所の抱負を歴史に例えてみろ」ですって?う〜ん「目指せ西郷隆盛!!!」ですね。あの明治維新の英傑でさえ,若い頃の艱難辛苦を乗り越えて偉業を成し遂げている。耐え忍ぶ姿。そして華麗な復活の姿。自分も目指したいです。
一番印象に残っている夏休みの思い出は――ディズニーランドへの家族旅行です。
そうですね,名古屋場所は久しぶりに付け人についた(若元春)のが新鮮でしたね。関取によっては支度部屋で付け人が胸を出してアップしたりと,付け人としていろいろやる事がある人もいますけど,若元春関は一人で淡々と準備する人ですね。今年の名古屋はほとんど毎日雨だったので,一番忙しかった付け人の仕事はほぼ毎日のコインランドリー巡りでした。
自分の相撲は2連勝,3連敗,2連勝で勝ち越し。最近「悪い波」に乗るのが得意になってる傾向があるので,3連敗した時はヤバイなと思いましたけど,最後は開き直って「勝って当たり前」くらいの自信を持って行ったのが良かったかなと思います。今場所は諦めない相撲。ピンチでも逆転する相撲を取りたいと思います。
一番印象に残っている夏休みの思い出は――毎年2家族+αで行っていた川でのバーベキューからの温泉です。
名古屋場所は2連勝スタートで,最初のうちはもろ差しになる良い相撲で勝てたと思います。そこから4連敗・・・。稽古場でも指摘されている自分の悪いところが出てしまって,土俵際の叩きについていけなかったり,捕まってしまったのが敗因かと思います。けっこう番付が落ちてしまったので,今場所はまず勝ち越し,そして5番を目指します。名古屋場所後の休みに,とてつもなくデカいチョコパフェで景気付けしてきました。
一番印象に残っている夏休みの思い出は――小松市のキックベース大会で準優勝したことです。
入門二場所目の名古屋場所は,少しずつ本場所の土俵にも慣れてきたかな,と思いました。相撲内容は勝てた相撲は前に出る相撲が取れたと思うんですけど,負けた相撲は前に出て行っても土俵際で引かれたり廻しを取られたりして負けてしまいました。まだ入門以来勝ち越したことがないので,まずは今場所勝ち越すことが目標です。
え?「自由時間の楽しみ」ですか? そうですね,釣り具を見に行くことです。鹿児島では自宅から海釣りに行くことが出来たので,よくイカを釣りに行っていました。エギ(餌木)というエサを使ってイカを釣るんです。そんなに大量とはまでは行きませんが,30分くらいで釣れました。相撲を頑張って,いつか釣り具を買えるように頑張りたいです。
一番印象に残っている夏休みの思い出は――小学生の時に父と弟で行ったアジ釣りです。