お待たせしました。満を持して,アキホくんこと佐藤が初土俵を迎えます。本場所直前の心境をインタビュー。(聞き手:早川さま)
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皆様,はじめまして。佐藤明峰(さとう・あきほ)です。
宮城県気仙沼市出身の16歳です。現在身長175cm,体重120kgです。この春に中学を卒業して,荒汐部屋に入門することは決めていたんですけど,中学卒業間際に相撲部での稽古中に膝の怪我をしてしまって,松葉づえを使う羽目に。親方からも,今焦っても仕方ないから,しっかり治してから,と言ってもらって,ようやく怪我が治ったこの七月場所に前相撲を取ることとなりました。前相撲は怪我をしないように,自分の押し相撲を取り切りたいと思います。
相撲を始めたのは,小学二年生の時です。担任の先生に勧められて始めたんですが,最初は稽古も怖いし,全く気持ちが入っていませんでした。スイッチが入ったのは,小学四年生の運命的な出会いです。家族旅行で東京を観光して,浅草に向かっている時に人だかりが出来てるところがあって,何なんだろう?と思って立ち寄ったら,相撲部屋の稽古を見学している人たちでした。その時,たまたま蒼国来関に声を掛けてもらって,家族と一緒に建物の中に入れてもらって,稽古を見学させてもらいました。そしたらお相撲さんの鬢つけ油の良い匂いがして,眠たくなってしまいました(笑)居眠りしてた自分を見て,力士の皆さんは笑ってたらしいです(苦笑)。でもその日を境に自分から稽古をするようになりました。蒼国来関という憧れの存在に出会い,小学六年生の時には荒汐部屋に入門すると決めていました。
中学は千葉県の柏市で通い,柏相撲少年団という,過去にプロの先輩力士を多数輩出しているクラブで相撲を教わりました。小学生の時には県大会でも良い成績が残せなかった自分が,中学では全国大会の決勝トーナメントにも出られるようになりました。でも負けてしまった悔しさもあるので,その悔しさはプロで晴らしたいと思います。
自分は背がそれほど高くないので,下から下から低くおっつけで攻める相撲を取りたいと思っています。目標とする力士は若隆景関です。最高のお手本の相撲を間近で見られて,本当に恵まれた環境にいると思います。自分が言うのはおこがましいですが,若隆景関の相撲は芸術だと思います。稽古場で実際に目の前で相撲を見ながら,今はまだ見惚れるばかりで,繰り出される技があまりに早くて自分の理解がついていっていないのですが,これからしっかり見て学んでいきたいと思います。
稽古場では,みんな強い人たちばかりで,自分もいつかあれくらい強い力士になりたいという気持ちで一杯です。そしていつか自分も強いお相撲さんになって,自分が小学生の時に出会った蒼国来関のように,子供達が相撲に興味を持ってくれるような,そんなお相撲さんになりたいです。応援よろしくお願いします。
宿舎の善行寺にて「ふれあい祭り」が開催され,多くの方にご来場いただきました。
「相撲界随一スゴ腕ちゃんこ長」である内海マネージャー[TVer]の仕込むちゃんこ鍋,約300人分のふるまいもあっというまに無くなりました。
じゃんけん大会,また関取衆との写真撮影会が開催され,特に若隆景との撮影には本堂から門の外まで長蛇の列が。
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こちらはルンルン気分の佐藤。ついに自転車を手に入れたのです。自転車保険もバッチリ。安全運転の徹底を
マネージャー内海も,同じ中学卒業すぐ入門の後輩だけに,何かと気に掛けているようです
同じ中学卒業すぐ入門といえば,誕生日を迎えたばかりの綿谷も。相撲界で酸いも甘いも噛み分けて,今や綿谷なしでは荒汐部屋はやっていけないほどのこの信頼感。
新弟子,佐藤明峰を迎えて,人の育つところとしての相撲部屋に生きるとは・・・,あらためてその意味と重みをかみしめるこの夏の名古屋でございます。