メインメニュー:メニューを飛ばして記事へ。
2004年10月6日,荒汐部屋では,痛んだ土俵をリフレッシュすべく,土俵築(どひょうつき)を行いました。荒汐部屋の心臓部,身も心も,すべてはここから生まれ育つ土俵です。ひと突きひと突きに,力士たちそれぞれ思いを込めて,土を叩きました。
それにしても呼出さんらの作業手順は,長い伝承期間のうちに最適化されていて,通り過ぎる方々がしばらく立ち止まって見とれてしまうほどに,見事なものです。
前もって,古い土を,くわで起こしておいて,いろいろな道具を使って打ち直します。そして,呼出さんが,土俵規定に基づいた大きさに整えていけるよう,まず下準備します。
蛸をさかさまにしたような「たこ」で,ドスンドスンと,土を突き固めます。ひたすら突きます。これをイイカゲンにすると,すぐ土俵がボロボロになりますので,二度手間にならぬよう,念入りに突きます。
呼出さんが,十文字に縄を張って,稽古場の中心を出します。
中心に五寸釘を刺し,直径4.5mの円を書きます。
たこで突き終わったところから,くわで土俵表面を整形していきます。
とんぼでならして,土俵の形が出てきました。
小俵を入れる円周部分を,足で踏み固めていきます。さらに,たたきで叩いて固めます。
固くなった円周部分に,再び縄と釘で円を引き,それに沿って内側をくわで崩します。
とんぼでならすと,いよいよ土俵らしくなってきました。
まだまだ叩き,突きます。土俵の内側は中心から渦を描くようにぐるぐるとたこで突いていきます。先にたこで突き終わった土俵の外側は,たたきでバシバシ叩いていきます。
小俵を入れる溝を,ビール瓶で叩いて作っていきます。今回は,アサヒ・スーパードライの瓶を使いました。銘柄は問いませんが,丈夫なので国産ビールの瓶を使います。
仕上げに,土俵をたたきで叩きまくります。今度は外側から内側に向かってぐるぐると渦巻状に叩きました。
仕切り線を特製定規板をあてがって書きます。後日,土俵が乾いて落ち着いたら,ペンキで塗ります。
完成です。2時間と少しかかりました。あとは,3日ほど乾燥させれば,俵を入れて,仕切り線を描いて,いよいよ稽古に使われます。
たこやら,たたきやら,くわやら,おつかれさまでした。
.
このページ終わり。以下は設定用データです。