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昨年,頚椎を骨折し,装具をつけての治療とゼロからのリハビリを勝ち抜いた赤井[その記録]。先場所,ついに三段目の土俵に立ち,勝ち越しこそならなかったものの,存分にその強さを嬉しく味わいました・・・その日,その時までは。
それは8日目のこと。土俵に上るまでに今日の自分の相撲を綿密にイメージして万全の体制で取り組みに臨みました。しかし,連敗で後がなかったせいか,仕切っているうちにボルテージもワッテージもビンビン高まり,もう思いっきりぶち当たってやる,との一心に。
そしていざ立会い。
頭から思い切り当たって,快勝。しかし,残る違和感。
荒汐は言います。「私も怪我ばかりの現役時代でしたから,わかるんですよ。医者より誰より,自分で。あぁやってしまったな,と。」
千秋楽を終え直ぐ一人東京に帰ってCTを撮りましたが,やはり,というか,再び頚椎を骨折していました。
「二日たっても痛みがひかないので,もう諦めて切り替えてました。仕方ないって。」
荒汐は言います。「あれだけの苦労を乗り越えて,結果,こうですから。普通なら腐ってしまいますよ。やめたくなりますよ。ところが『もう治療はしません。頭からぶつかっていく形じゃない,新しい自分の相撲を作り直します』と,切り替えてるんだから,たいしたものです。見上げたものです。」
蒼国来は言います。「1年間,あんなにタイヘンな思いをして乗り越えたのに。。。もともと赤井は身体は大きいんだけど,首が細いんですよ。だから,首が弱点ではあったんだけど,でも。」
赤井「場所前はいよいよ三段目だ,ということで気合も入っていたし,はじめて木瀬部屋でも稽古したんですけど,同じくらいの番付の人とやっても五分五分って感じで渡り合えたので,勝ち越しも不可能じゃないぞ,と期待して場所に臨んだんです。そしたらいきなり,思いっきり突き飛ばされての完敗。」
荒汐「紙相撲のように吹き飛んでました。こりゃ家賃が高いかな,という雰囲気でした。」
赤井「それで,実際結局2番3番と連敗してしまったんですが,実際は,どちらも際どい勝負で,土俵際の投げの打ち合いになって,ともにいったんは軍配こっちにきたんですけど,物言いついて行司指し違いの連敗だったんです。まぁがっくりはきましたけど,切り替えていきました。」
大澤「うそぉ。相当落ち込んでたよ。」
赤井「まぁね。そんな感じで迎えた8日目だったんで,上のとおり,ちょっと興奮しすぎたのか,そういうことに。でも,もうあの治療は無理です。とてもできません。それに,やったとしても,どうせまた同じことになるだろうし,あんまり意味がないでしょう。こうなったら,自分の長所をもっと生かせる,これまでとは違う形の自分の相撲を追及するだけです。」(写真:何事もなかったかのように淡々と料理する赤井だが。。。)
と,一応,表面的には気持ちも切り替えて再スタートということのようですが,周りとしては何と声をかければよいのか。。。どうか,みなさま焦らずじっくり,新しい赤井の成長をお見守りくださいませ。
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