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< 前編からのつづき
そして厳しい時間はここまで。お昼からは楽しい時間の始まりです。まずは地元のわんぱく力士たちが関取に挑む稽古から。二人がかりのちびっこ力士や,結構な迫力でぶつかる実力派,はては関取のモノマネ風力士まで登場して,関取陣もタジタジ。
ほほえましい時間に続いては,おなじみ初切(しょっきり)。要は,禁じ手紹介相撲コントです。かなり練られた台本で,稽古以外にこんな練習までしているとは,とビックリ。ひたすらしてはイケナイことばかりが繰り広げられるので,上品な方には向かない(?)
爆笑の後は,哀愁の相撲甚句。おなじみの甚句につづけて,この巡業に来れたお礼の甚句で,会場からは「また来いよ」の声が飛び,自然と拍手が沸き起こります。こんなにも待っててくださる方がいるなんて,と,少しセンチメンタルになっちゃいました。普段はなんだかまったりした唄だなぁ,と思って聞く甚句も,東京を離れて聴くとなかなかジーンと染みいるものがあります。
その頃,十両土俵入りを待つ花道に目をやると,他の十両勢がお客様と談笑したり写真を撮ったりしてるなか,客席に勝手に座って甚句を堪能中。「♪土俵の上のお相撲さん。立てば借金,座れば家賃,歩く姿は質屋へおつかい♪,か。うへへへ。」笑っております。
その土俵入りですが,本場所と違ってなんだか和気藹々。中には赤ちゃんを抱っこしてくる関取もいて,バッシャバッシャ写真を撮られてました。
さていざ取り組みです。が,ハッキリ言って巡業の取り組みは本場所とは全く違います。極端な言い方をすれば,本場所が生死を賭けた円形闘技場の剣闘士の戦いであれば,巡業はハーモニックな円形劇場でのサーカスだ。魅せてナンボの世界です。勝負云々より,日ごろ鍛えた力と技を存分にご覧いただく,そんな相撲です。
だから花道でも気軽にサイン。秋田場所特製座布団です。
土俵溜まりも雰囲気が違う。「あいつ何やらかすつもりだ?」「力比べでもするんじゃないすか?」「こんなに暑いのに?」とでも言ってそう。
しかし,いざ土俵に上るとやはり引き締まります。
と思ったのもつかの間,明らかに玉乃島関と視線で何か言い合ってます。さあ,どんな相撲を見せてくれるんだ蒼国来。
「あ!思いっきりつかまった。」と思う間もなく,そのままジリジリ寄られてオシマイ。応援してくださったお客さまガッカリ。(というか,ほとんどのお客さまは,横綱大関と,そして地元の豪風関の姿を見たくてワクワクな模様。)
てな具合に,蒼国来の取り組みはあまり盛り上がりませんでしたが,巡業は,本場所とはまたちがった独特の楽しさがございます。どうぞお近くで開催の折には,ぜひ足をお運びいただければと存じます。
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