荒汐部屋 目次

[目次を飛ばして記事へ]

平成24年一月場所を振り返って

おなじみ早川様による千秋楽インタビューで,荒汐部屋勢一同それぞれが一月場所を総括。昇進を確実にした者,目前で逃した者,怪我に泣いた者,と,あれこれ激しい新年の出発となりました。かなりのロングインタビューにつき,順次掲載して参ります。まずは師匠荒汐から。

師匠 荒汐

39勝39敗(勝率:5割)

写真:荒汐 本日は寒い中,大勢の皆さんにお越し頂きありがとうございます。

やはり今日まずは,11月場所に初土俵を踏みまして,この初場所に序ノ口優勝(全勝:序ノ口東15)しました剛士から。え~,私としましては,まぁ~負ける相手はいないかな,と。ところがやっぱり精神面のこともありまして,最後の相撲なんかは,もぉ~負けるかな,と。ん~まぁ~されど,優勝です。光(荒獅子)が序二段優勝した時にも言ったんですけど,優勝というのはしようと思って出来るものではありません。まぁ~最後の相撲なんかは運良くですね,勝つことが出来まして7戦全勝,序ノ口優勝することが出来ました。まぁ今日はですね,皆さんから「お褒めの言葉」・・・ん~,ま,いらないか(笑)。勝って当たり前なんですよ。ただ,ま,自分の精神的な闘いに勝てた,優勝ということなんです。ま,ありがとうございました。

赤井(福轟力 ― 3勝4敗:幕下西36)。赤井の相撲は今場所私もテレビで何番か観ましたけど,まだまだ突っ張りの形が不恰好です。一番分かりやすく説明すれば,本来,突っ張りというのはこう(脇を締めて下から突き上げる)でなければならないところ,赤井の場合はこう(脇を上げて上から押さえつける)なんです。これでは,つっかえ棒外されたら前に落ちる,苦しくなって引いたら付いてこられるんです。まずはそこを直さないと,いくらこれまでのように朝稽古の後,4時にさらにテッポウとか自主練習なんかしてても,報われるような相撲じゃないんです。まずは突っ張りの形を直さないと,いくら稽古してもこれから先上がっていくのは難しいと思います。

次,大波(5勝2敗:三段目東51)。大波は今場所,もう1番勝ったら幕下に上がっていたかもしれないそうです。よく分かりませんが,本人らで勝手に番付編成してますんで(笑)。なんでも,最後の一番なんかは二本差して,前に出て,首投げで負けたようですが,いい相撲を取ったみたいです。来場所勝ち越せば(幕下は)間違いないでしょう。はい。

次はジャスパー(荒篤山 ― 2勝5敗:三段目西53)。場所前の稽古でオレが言ったよな?「こんな当たりで,こんな稽古してたら今場所勝てないよ。」そのまんま,負けました。そのまんま,です。こんなんでは勝てません。

はい,光(荒獅子 ― 4勝3敗:序二段西8)。光はもう勝って当たり前なんだけど,今日負けたんだなぁ(笑)。まぁ,これで三段目にまた上がれます。はい。

廣瀬(3勝4敗:序二段西13)。廣瀬は今日勝って3勝4敗。今場所勝ち越せてれば三段目に上がれたんですけど,まぁ,先場所の4番が活かされなかったかな。

はい,吉田(突光力 ― 1敗6休:序二段西19)。ん~,相撲の用語で「腕(かいな)を返す」という言い方がありますけど,あれは,差した時に手首をこう,ぐっと(手を外側に向けるように)返すんですね。そうすることによっていくら小手に振られても,肘が外れないんです。これが出来るように,と稽古場でもさんざん言ってきたんですけど,結局二日目の相撲で小手に振られて,肘が外れてしまいました。

え~小林。ダイショーリン(大小林 ― 2勝5敗:序二段西36)。え~,ずっと稽古を見ていて,一番ダメなところは,稽古にムラがある。したくない時はしない。それが直らないと,もお・・・。はい,次。

寛龍。寛龍は今場所3勝4敗(序二段東53)。寛龍はリキ(力山)と同期で,リキ(力山)には負けたくないという気持ちが強いと思います。来場所はリキに番付離されるので,やる気になるでしょう。

え~,力山(6勝1敗:序二段西55)。これもそうなんです,勝手に番付編成するんです(笑)。序二段55枚目で,昔だったら絶対三段目上がれなかったんですが,本人は「上がる」と言い切ってますから。まぁ,何はともあれ,6番。よく勝ったと思います。はい。

荒行志。2勝5敗(序二段西78)。はい,稽古場その通りです。稽古場の稽古でも勝てません。よく分かったか?飛んだり跳ねたりしたって,勝てないんだから。

飛騨野(2勝5敗:序ノ口西15)。よくやったよ。うん。よく頑張った。先場所,前相撲で全勝して2番勝って,今場所2連勝スタートで気をよくしたでしょ。相撲はそんな甘いもんじゃない。これでよく分かっただろ?教習所でよく稽古するように。わかった?

まぁこれで一通り,今場所は大勝ちしたのと,大負けしたのと大きく分かれました。今,私が言ったことを私なりに考え,一生懸命指導して参ります。

このページの先頭へ

飛騨野

2勝5敗 (序ノ口西15)

写真:飛驒野 前相撲で運良く2連勝できて,今場所も2連勝して,このまま勝ち越せるかと思ったんですけど,やっぱり甘くはありませんでした。

2敗目までは,相手が相撲経験者だったので,仕方がないって気持ちもありましたけど,その後も負け続けてからは,どうしていいか分からなくなってしまいました。今場所は攻められたら何もできないままずるずると下がって負けてしまった相撲もあったので,これからは少なくとも何か抵抗できるようになりたいです。

今,稽古場では四股,ぶつかり,受身の練習が中心です。相撲の方は教習所でやらせてもらっていて,本場所中にも2回やらせてもらいましたけど,相手は胸を出しての相撲なので,本格的な相撲の稽古はまだまだこれからです。新弟子は入って一年くらいで,本格的な相撲の稽古に入るって聞きました。自分がそうなった時どうなるんだろう,って不安はありますけど,まずは来場所の勝ち越しを目指して,はんぎりかんにゃぁならんがんぜ。

このページの先頭へ

剛士

全勝優勝(序ノ口東15)

写真:剛士 おかげさんで,序ノ口優勝することができました。

いろいろ緊張もしました。これまでアマチュアでも相撲取ってきましたけど,プロの相撲は所作があるので,そっちの方,間違えないか緊張しました。緊張すると,自分の悪いクセが出てしまいます。最後の相撲なんか,親方も言ってた通り,ギリギリの相撲でした。優勝インタビューは緊張しまくりで,何言ってたか,覚えてないです。自分,緊張すると,「ウッス,ウッス」みたいに,受け答えがぶっきらぼうになるんす。

写真:剛士 今場所から,「剛士」(ごうし)って四股名をもらって,かなり気に入っています。意味は,「泰然自若の金剛力士」。支援者の方が考えてくれました。ゴウシ!って,音的にも強そうだし,これからどんどん上に上がって,もっと強いしこ名にしていけるよう,頑張っていきたいと思います。

このページの先頭へ

つづきを読む >