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荒汐部屋の食の中心といえば,やっぱり鍋。その味は,千秋楽打ち上げやお祭りなどで,多くの皆様に召し上がっていただくなど,部屋の看板としても活躍しています。
ただ不思議なことにその味は,力士が作らないとどうも味が決まらない。おかみは,新婚当初は一食十皿は並べて荒汐の舌を唸らせ,そして減量もバッチリ支えたほどの料理の腕ですが(一部表現に誇張がございますことをお許しください),こと,ちゃんことなるといまいち味が違う。そこで,当初は荒汐が付きっ切りで弟子とともに毎食作っておりました。そんな中,材料の準備の便宜のためもあって,荒汐は自ら,何種類ものちゃんこの製法をデータ化。すぐに必要な材料のリストが呼び出せるようにしたのでした。その甲斐もあってか,今では(当然といえば当然なのですが)力士たちだけで,しっかり作りこなすことができるようになりました。
そんな荒汐部屋の鍋のうち,鳥の塩炊きはライオンチェーン各店でお召し上がりいただけます。今回は,もう一つの定番,豚の味噌炊きをご紹介させていただきます。
大きな力士たちを育むちゃんこですから,ちゃんこと言うと太るイメージもあるかもしれません。でも実際は,以下ご覧のとおり,とってもヘルシー。毎日でも食べたくなる健康食です。
本当に毎日でも食べている方が。。。千秋楽打ち上げで荒汐部屋のちゃんこを食べて以来,その味に病み付きになってしまって毎日のようにちゃんこ鍋を作るまでになられたというK様。部屋では十人,二十人分を一度に作るので,ご家庭での参考にはちょっと多すぎますが,K様は,荒汐部屋のスープ番,内海の指導!のもと,家庭でも同様の味を楽しむことができるようになったそうですので,今回はK様にその作り方をご紹介していただきましょう。
荒汐部屋のちゃんこはまさに絶妙です。家でも食べたくて,内海さんにいろいろ教えていただきました。もう,この半年くらいは,2日に1度はちゃんこ鍋,のペースですよ。野菜がたくさん食べられますし,料理も簡単,それでいてこのおいしさなんですから。
では,さっそく。
まず,鍋なんですが,これは大きなものが良いですね。水炊き用の普通の土鍋では小さすぎると思います。5リットル級のサイズがほしいですね。うちではパスタ鍋を使ってますが,食卓に乗せるにはあまりにも不恰好なので,もう少し良いものを探したいと思います。野菜の量がものすごいんで。それと別に普通の雪平も用意しておくと楽チンです(下茹でに使います。)。
材料としては,基本は
となっています。分量はまさに適当です。うちは2人暮らしですが,タマネギ1ケ,ゴボウ1本,ニンジン1本,あとは適当,てな感じです。豚はバラがおいしいですね。肉の分量はほんの少しでも問題ありません。豚の出汁が出ればそれで良いと思います。
大根・人参は乱切りに,ゴボウは削ぎ切り,タマネギは1.5cm厚の輪切りにします。キャベツはくしに切ります。こんにゃくとほうれん草は切りません。あとは適当に。
大根と人参は小さいほうの鍋で水から軽く下茹でしておきます。上げたら,そのお湯で厚揚げを湯どおしして,さらにそのお湯で豚も湯がきます(お湯を沸かすのをケチりすぎですね。。。)。とにかくここで豚の余分な油を全部落としてしまうんですね。湯がきすぎてカスカスにならないように注意します。
その間に,大きな鍋でスープを作ります。昆布で出汁をとります。1リットルくらいでしょうか。大きな鍋だからといってあまり大量にスープを作ってはいけません。うちのパスタ鍋だと下から1/4くらいあれば,具を入れたら満杯になります。それを沸かしたら,いきなり味噌を投入。部屋では赤っぽい味噌と白っぽい味噌を混ぜているそうです。煮まくるので安い味噌で十分なようです(ただ,あまり塩気の強い味噌は使いにくいようです。味噌の味を立たせるには,ある程度味噌の量が欲しいのですが,塩気の強いものだとどうしても味噌味より先にしょっぱさが先にたってしまいますから)。
このとき,ちょっと濃いかな,というくらいに味噌を入れましょう。ちゃんこの味の秘訣は,この「何かの味が一つ立っている」ところにあるそうです。味噌炊なら味噌の,塩炊なら塩コショーの,といった。寄せ鍋のように具材の味が混ざりきってしまうと,どうしても飽きがくるんですね。そうではなく,一つ一つの具材がそれぞれの味の独自性を残すようにする,そのためには味噌とキャベツ,味噌としいたけ,味噌と豚,というように,一つの味の核を中心にして,各具材がその核を彩る,そんな味付けをめざすんです。と,親方から伺いました。
味噌が決まったら,さらに,日本酒(結構たっぷり),みりん(お好み),醤油(少々)で味を調えます。部屋では鰹だしの素も入れたりしますが,これは旨みと苦味の諸刃の剣,難しいので私は入れていません。代わりと言っては何ですが,何かしら化学変化がおきて味が複雑になることを期待して,おまじない程度に「あらしお」を極々微量入れています。
オプションとして,さらに,ニンニクのすりおろしたものと,ショウガのすりおろしたものをスープにいれると,やたらめったら食欲を掻き立てる味になります。特に夏場など食欲減退気味の時なんかにはもってこいですね。ただし本当に食欲がおかしくなるようで,ついつい食べ過ぎてしまいますんで,要注意。このオプションは,大豊の付け人もしたことがある元力士,喜田さんのお父様に伝授していただいたそうです。
あとはこのスープに具材を放り込んでいきます。
根菜・こんにゃくと火の通りにくいもの・通り過ぎても大丈夫なものから,タマネギ・ゴボウ・豚肉・きのこ類と出汁がでるもの,そして厚揚げ・キャベツへと,様子をみながら入れていきます。
さすがにキャベツは相当甘い水分を出しますので,先のスープの段階でみりんを入れすぎないようにしましょう。なお,こんにゃくは,味が絡みやすいように手で一口大にちぎって入れていきます。
そして煮えましたら,最後にほうれん草を束ごと半分~三等分くらいの長さにちぎって入れます。こうすると,金気が当たらないせいか,灰汁の出がとても弱まりますね。これで出来上がりです。
お好みで,柚子胡椒や,七味で風味づけていただきます。このとおり,野菜が多くてかなりヘルシーなんですが,油断してご飯と一緒に食べると,確実に太ります。だって,ご飯が進むこと進むことこの上なし。
のこった具と汁は,翌朝,うどんを入れていただきます。特にそのまま放り込んでもコシのある冷凍うどんが便利ですね。
しかし,この油を落としまくる製法のものばかり食べるようになったせいか,高級牛肉など油脂の多いものがぜんぜん食べられなくなりました。私の財布のせいかもしれませんが。。。
K様,ありがとうございました。ご覧の皆様も,一度お試しになってはいかがでしょう。そして召し上がられます時に,ふと,荒汐部屋のことを思い出していただければと存じます。
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