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さあ,あとは稽古を待つばかり,であるかのようですが,その前に大切な儀式が。それが「土俵祭り」。
新しく開いた土俵の地鎮祭ともいえるこの土俵祭りは,毎本場所で初日前に行われますが,こうした稽古土俵を開いた場合にも同じく,以下のように,この土俵を清め,勝負の何たるかを知り,安泰とそして五穀豊穣を願います。
御幣が立てられ塩で清められた土俵上には,榊と酒が。
祭主として,式守一輝の兄弟子にあたる,十両行司の木村元基さん(湊部屋)にお出ましいただきました。土俵祭り初体験の荒汐部屋勢に,段取りを説明していただいています。控える式守一輝は,ガチガチに緊張しています。
一同,自分らが毎日やっていることの,歴史と伝統を肌で感じることのできるこの日を,楽しみに楽しみに待ちわびておりました。間近に見る関取行司の衣装・所作にもいちいち感激。
いざ,厳かに。
一同も,清め祓っていただく。
土俵四方には,献酒をもって清められる。
ひとつひとつがキリっと美しく,見ていても心が引き締まります。
そして軍配を手に,「方屋開口(かたやかいこう)」の祝詞が奏上されます。
天地(あめつち)開け始めてより陰陽を分かり,
清く明らかなるもの陽にして上にあり,これを勝ちと名づく。
重く濁れるもの陰にして下にあり,これを負けと名づく。
勝ち負けの道理は,天地自ら然るの理にして,これをなすは人なり。
清く潔きところに,清浄の土を盛り,俵をもって形となすは,五穀成就のまつりごとなり。
ひとつの兆しありて形となり,形なりて前後左右を東西南北,これを方という。
その中にて勝負を決する家なれば,今はじめて,方屋を云い名づくなり。
いつになく,神妙な面持ちの蒼国来と赤井。
圧倒され気味の松峰之山。「なんかすげぇ」興奮気味の増田。真剣に聞き入る大澤。
祭り大好きの荒獅子は当然,土俵祭りも大好き。当日直前に教習所を終えて新幹線で駆けつけた,寛龍と力山は,無心で見つめている。
式守一輝は,部屋では決して見られないような厳しい表情で必死に兄弟子の振る舞いを見聞きしている。
そして,誰より感慨深そうに見つめる荒汐。
「自分が弟子だった頃は,各地方場所で当然だと思っていた土俵祭り。でも,実際,自分が部屋を開いてみると,そんな当然もなかなかするまでにいたらなかった。それがようやく,こうして浅井町の皆様はじめ,多くの方々のお支えにあずかることができ,おかげでこんな立派な土俵で土俵祭りをすることができた。力士たちもいろいろ感じるところがあったようだし,本当にできてよかった。本当によかった。多くの皆様のご尽力,謹んで御礼申し上げます。」
最後に,四方の徳俵に献酒。
これで,浅井町の土俵で,思う存分稽古ができるようになりました。
立派な槙のテッポウ柱ごしに,清められた土俵を望む。
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