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あ,ご歓談の最中恐れ入りますが,蒼国来の弟弟子たちも紹介させてやってください。
お約束で,おかみも紹介されちゃいました。「女房の和服姿なんて,結婚式で仲人するときくらいしか見たことないな。こりゃ今日は凄い気合だな,おい。」と荒汐。
とかなんとかやっておりますうちに,お楽しみ企画。ビデオ上映会の開催です。蒼国来の入門から今日までを,映像で振り返る趣向でございます。昔,取材いただいた関係各所の方々にご尽力いただき,この日,当時とはまったく違う文脈で,初々しい蒼国来の姿をご覧いただきました。成田空港に着いた坊主頭の引き締まったスリムな蒼国来,いやエンクトフシンが映ると,会場からはどよめきが。そして,エンクをものすごい笑顔で迎える荒汐が映ると,会場からはなぜか爆笑が・・・(なぜ?)。当時のエンクがはっきり言っています。「目標は横綱です」。拍手が沸き起こります。
そして弟子二人だけ荒汐部屋時代の普段や稽古など,蒼国来にも荒汐・おかみにも厳しい日々を思い出させるシーンの数々。「たいへんだったんだなぁ」などと見入っていると,突如現れたのは,まだ中学生のかわいらしい荒獅子ならぬ光くん。そういえば,週末になると部屋に来てたのでした。さらに日の光ならぬ和樹くんが,真っ白の顔で入門するシーンも。皆,蒼国来とともに逞しくなったものです。
そして今日の蒼国来の雄姿と,全員それぞれからの蒼国来にメッセージ。みんな「関取,おめでとうございます。」というのですが,どうもこの弟弟子たちが「関取」と言うその響きには,なかなか聞いていて慣れません。
さて,内輪のオモシロ映像でお楽しみいただいた後は,蒼国来と同郷のセーンジャー(賽音吉雅)さんによる馬頭琴(モリンホール)の演奏です。まず「昇る太陽」。その地に根ざした音楽とは凄いもので,たった今まで日本橋水天宮のロイヤルパークホテルだったのに,音楽が始まるととたんに会場は,内モンゴルの草原に。向こうに地平線さえ見えるかのようでした。セーンジャーは言います「この日を本当に待っていました。蒼国来はずっと関取になりたい,と言ってましたが,今日は,もう本当になっているんです。」
続いてはボルドーさんのホーミー演奏。ホーミーとは,一人で2~3声を同時に唄う歌で,内モンゴルの伝統音楽の一つです。このフシギな音色に,はじめは驚き,だんだん引き込まれていくと,これまた内モンゴルの大地へと誘われてしまいます。
さらにモリンホール・オールスターズ,馬頭琴の3重奏で「草原の伝説」,そしておなじみ「馬のとどろき」と続きました。見渡す限りの大地を駆ける馬のように,蒼国来が土俵を無限の広さに感じさせるほど縦横に活躍する姿を思うのでした。
感激の面持ちの蒼国来。
宴もたけなわではございますが,ここで,弟弟子一同より記念品の贈呈です。「なに?そんなの用意してくれてたの?うわ,どうしたのこれ?ありがとう」なかなか考えた一品でした。
そして今や本当の兄弟以上に兄弟子を慕っていそうな日の光が代表して花束を。てれるなぁ。
さらに師匠荒汐が登場。「本日は,年始のお忙しい時期にも関わらず,お集まりいただき本当にありがとうございます。ただ,今日のことは,女房と庄之助親方が全部やったことで,私は何にもしてませんので,何も言うことはないんですが,やはりそうもいかないので,最後にひとつだけクギをさしておこうと思います。蒼国来はもちろんですが,女房はずっと,夢とは言わないが,この日を目指してやってきたと思います。今日の日を一番喜んでいるのは女房だと思います。そして今日,こうして集まっていただいたように,これまでのこの恩を蒼国来が返すには,たった一つ,十両は通過点だと思わせるような相撲をとること,それしかない。そうだよな?蒼国来。そんなわけでして,今場所は十両の15日間二人三脚で頑張ります。えー,あんまり言うとプレッシャーになりますので,このあたりで止めときます。本日はありがとうございました。」
そして最後を締めるのは,本日の主役,蒼国来。おもむろに日本語で書かれた紙を取り出して「本日は多くの皆様にお集まりいただきありがとうございました。皆さんの応援があったから,ここまでこれました。これまでずっと,親方,おかみさん,そして内モンゴルの父・母のことを思ってやってきました。まずはこの地位を守れるよう,頑張ります。どうぞ,これからも応援よろしくお願いします。ありがとうございました。」
この挨拶の間,ずっとなんだか妙に嬉しそうな表情でしたが,本当に嬉しかったんでしょう。
おなじみ誠徳興産菊永様の三本締め「今場所から毎日総合テレビで蒼国来が見られます。体調に気をつけて。明日からの大活躍を祈念して!」
「内モンゴルのみなさんの手作りの品です」引き出物をお持ちいただき,お一人ずつお帰りのご挨拶でお見送りさせていただきました後は,
「関取おめでとうございます。私も一歩でも近づけるよう頑張ります」どさくさまぎれに,取材してもらっておおハシャギの弟弟子たちでした。
とにもかくにも,ご覧いただきましたとおり,おかげさまで,めでたいめでたい,お祝いの席となりました。会の後,いろんな出世披露をご覧になってきた方から「こんなにあったかい昇進披露は初めてですよ」との感想をいただいて,この優しくも強い雰囲気を作り上げるのが蒼国来の一番の持ち味だなぁとあらためて感じた次第です。
いやぁそれにしても,これだけのことをしてもらった直後が場所だけに,成績が一番の心配でしたが,12日目に勝ち越しを決め,あとはどこまで白星を重ねるかというところまで来れました。「十両は通過点だ」という相撲かどうかは,まだちょっと早いかもしれませんが,益々楽しみな蒼国来の活躍を,どうぞご期待くださいませ。
多くの皆様にお越しいただきましたこと,心より御礼申し上げます。
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