荒汐部屋 arashio.net
荒汐部屋

2010-11-20更新

平成22年十一月場所(福岡)

稽古 ― もうひとふんばり!この成果を発揮する

いよいよ今年を締めくくる十一月場所も終盤戦。すでに勝ち越しを決めた力士も,そうでない力士も「今年はよくやったぞ」という後味,充実感をもって年をこすべく,必死の勝負に挑みます。そんな彼らの力の元は,なんと言おうがまず稽古。福岡では,時津風部屋が宿舎を構える岩崎神社への出稽古が中心でした。その模様を。

平成22年十一月場所稽古

日の出とともに,稽古場は朝を迎えます。

平成22年十一月場所稽古

四股・腰割りといった基本動作で身体を温めていきます。地味な動作ですが,腰割りは全ての動きを支える基本中の基本,力士でなくとも健康に良い運動です。(参考記事:1日10回でOK「腰割り」の仰天効果!

平成22年十一月場所稽古

こちらは股割り。単に筋を柔らかくするだけでなく,柔軟な身体の動かし方を身につける練習でもあります。ご覧のように背中から曲げようとしても曲がりませんが,コツを掴むと股関節からグーッと曲がるようになってきます。じっくり時間をかけて習得します。

平成22年十一月場所稽古

不思議な動きで土俵を駆け抜けるこの動作は,すり足,おっつけ,腕(かいな)返しといった,勝負の中での基本の動きを覚えこませる稽古です。勝負はあっという間,考えている間などありませんから,自然に身体が反応するよう,勝つために必須の一連の動きを身体に覚えこませます。オシャレに言うと,よりなめらかな運動を実現する内部モデルを小脳に学習させる稽古です。しかもそのなめらかさは,観察できる運動のなめらかさではなく,身体内部の指令のなめらかさなので,一見するとまったく進歩していないようでも,実は身体の使い方が日々うまくなっていたりして,こういった反復練習は実に奥が深く,根気を要します。(参考記事:「多才な運動を実現する脳の機構の解明へ―内部モデルとは?」北澤茂

平成22年十一月場所稽古

新人の于が,兄弟子大波の胸を借りてぶつかります。低く速く重く突進する,相撲独特の力とその出し方を身につけます。同時に受け手も,それをどっしりと受け止めるだけの技と力を鍛えられます。むしろ,見た目とは裏腹に,受け手こそが鍛えられる稽古だとも言われるほどです。

平成22年十一月場所稽古

ひとしきり疲れてしまってからが本当の稽古。より効率よく身体を動かさざるを得ない状況での稽古は,小脳モデルの学習をブーストアップするのでしょう。後ろでは蒼国来が身体を温めながら,さりげなく弟弟子の動きをチェックしています。

平成22年十一月場所稽古

最後は全身全霊の力を込めて思いっきり押します。限界負荷で最大筋力のアップを目指します。

その2へ >

このコーナーの内容
.
About Us

お問い合わせ

ご質問,ご意見等,ございましたら,お気軽に下記より,荒汐部屋までお問い合わせください。お電話,お手紙,FAXでもどうぞ。

© 2004-2023, Arashio-Beya.-------