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連載:2013年,今年を総括する(7)

飛騨野(19勝23敗,勝ち越し2場所)[星取表

今年は最高位(五月場所序二段西46枚目)には行けたんで,まあちょっとは良かったかな,という年でした。それと後半は,70枚目代でも,現実的に勝ち越しを狙えるようになったので,まぁ嬉しいといえば嬉しいですね。

ただ,やっぱりもっと強くならなきゃ,と痛感した一年でもありました。特に先場所は悔しかったです。自分では勝ち越せるっていう期待をもって行った場所だっただけに・・・。2番目で勝った相手が5勝2敗で終わってるのを見ると,なにやってんだろって気にもなります。それに連勝スタートだったし,元三段目の相手にも突き放してついていって勝てたし,自分の相撲を取れれば勝機はあるぞ,という気がしてたんですよねぇ。まあ結果は負け越しましたけど,でも先場所も先々場所も,あと1番ってところまでは行ってるから,何とかなってるな,という感じはあります。いい勉強になりました。ここで気合を入れなおして,また次です。来年はこの1番で勝てるだけの力を。

これまで場所で4勝しかないので,来年こそはパーッと5勝したいですね。5勝は今年の目標だったんですけど,達成できませんでした――敗者の約束で,練馬まで20km歩くという試練を先日味わってきました。脚パンっパンっ――。なので,来年の目標というより,1ヶ月遅れになりますが,今年の目標として5勝をまず初場所で達成しとかないといけません。頑張ります。この1ヶ月は頑張りどころです。

あとはやっぱり全体として5割は勝ちたいです。貯金がほしいなぁ。いつか爆発するのを信じて,突き押し相撲に徹してガンバリマス。

さて,ここで先場所を踏まえて一句。

秋風が
教えてくれた
冬の声

いろんな意味で叩きのめされた先場所,まさかこんなことになるとは,という思い,実力不足,このままではダメ,まさか部屋で最下位で年を越すとは思ってなかった,そんな寒さを季節感あふれる一句に詠みました。

初場所が終わったころには,

春風が
教えてくれる
げんの酒

となることでしょう(?なじみのお店だそうで?)。

そのために,来年変わるために,今,何をやらねばならないのか,それをよく考えるようにしています。まず徹底すべきはとにかく基本をしっかり休むことなく続けること。

あ,自分より上の男が来た。(常川:え?)

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常川(13勝15敗,勝ち越し2場所)[星取表

えぇ,本年はなんと言いますか,三月に初土俵を踏ませてもらって以来,あまり負けが多くなく終わりましたので,良かったです。今年中に二場所も勝ち越せて,良い一年でした。

初土俵では,くるくると送り引き落としなる珍妙な決まり手もありましたが,それは置いとくとしまして,やはり先場所9日目11日目の2連勝がもっとも印象に残っています。と言いますのも,最高位でしたので,1勝3敗になった時点で,これはもう1勝6敗を覚悟しておりました。しかしそこで2連勝いたしまして五分となり,もうこうなると,欲というものも出てまいります。おかげでしばしいい夢を見させてもらいました。

今年一番辛かった思い出としては,実を申しますと,新弟子検査のときです。その帰りに親方に焼肉屋でごちそうしていただいたのですが,次から次へとお肉や炒飯やスープや,もういろいろ出していただきまして,自分は体格は大きくてもあまり食の太いほうではないので,こんなにたくさんどうしようかと。それに隣では,行司の笹井さん(式守一輝)がどんどんおいしそうに食べてらっしゃるので,力士としては食べないわけにはならず,もう泣きそうで,やっとの思いでいただいたという思い出です。あの時,自分は力士になるということを,身をもって実感いたしました。

入門してはじめてのこの1年,後半は結構あっという間に終わったのですが,とにかく前半は長くて長くて,もうどうしようかというくらい長く感じました。3月から7月の間は,軽くホームシック状態でしたので,本当に長かったです。そこを乗り越えれば,相撲部屋での生活にも慣れ,充実した毎日だったと思います。来年も,良い一年だったと振り返られるよう精進いたします。

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(2013年総括,完。)

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