熱闘続く平成24年十一月場所。負けが込むとわかりやすいくらいに小さくなってきちゃうんですが,ここらで場所前の猛稽古を思い出して,自信みなぎる後半戦に挑もうと思います。
ちゃんこ長・荒獅子の稽古から始まり(この日は写真がなくてごめんなさい),序二段勢の三番稽古に続く。土俵の周りは四股・腰割りなどで,めいめい身体を温める。
荒行志はまだ軽量ながら力いっぱいの立ち合いから食いついて早い動きで勝機を見出そうとする。寛龍は捉まえてから桁外れの腕力で振り回す。
二人とも体格が日に日に充実してきている。部屋頭の福轟力が絶えず見守る。
二人の稽古が精根尽き果てた頃,師匠の「よし,押せ」の声がかかる。荒行志が憧れの兄弟子・大波の胸を借りて渾身の力で押す。
寛龍は疲れ知らずか。押す気になれば,まだいくらでも押せそう。
ぶつかり稽古には,荒汐勢は他の力士も全員加わって代わる代わる。立ち合いの習熟に集中している飛騨野ももちろん。
終わると即,もうないはずの力を振り絞って四股。自分の意思と思考だけが頼りの四股の充実は,他の何より難しく厳しい稽古。相撲の根源。その真の意味を知った者しか強くなれない。