・・・悔しいっす。(と言って,今にも泣きだしそうなほど項垂れる荒篤山。そんな荒篤山の背中をさすってなぐさめる,突光力。)
今場所は,勝ち越せて良かったなんて気持ちは全くないっす。「あと一つ勝てば幕下」って相撲で,また負けてしまいました。それも3場所も続けて・・・。でもこの3場所中で,今場所が一番悔しいっす。今場所は自分的に,ゼッタイに幕下昇進を決めたい理由があったんで・・・。
自分,関取が帰ってきてくれてホントに嬉しいんです。関取にはもう,ホントにいろいろ,全部教えてもらってるっす。相撲のことでは,廻しを切ってからおっつける動作とかを教えてもらいました。関取が教えてくれる動きってのは,「切って」「おっつけて」「押して」って一つ一つではなくて,全部の動きが自然な流れの中で出来るようなスムーズな動きなんです。あと教わったことは・・・一杯あり過ぎです。関取からは付け人やってるだけで教わることがあるですよ。だから,ホント,帰ってきてくれて嬉しいです。
来場所の名古屋場所は,関取が本場所に戻ってきます。自分は来場所,幕下に上がって関取の復帰の場所を迎えたかったんすよ。関取の復帰の場所に,成長した自分の姿を見せたかった。
だから,今場所,幕下を決められなかったのは,ホントに悔しいんです。
今場所っすか?え~まぁ~そぉ~っすねぇ。勝った時と負けた相撲がハッキリしてましたね。勝った3番は押していって,自分なりにいい相撲が取れたと思うんすけど,負けた相撲は全部相手に攻められまくって,一方的に負けてしまいました。1年前の名古屋場所からずっと三段目で取れてたんで,来場所も三段目で戻りたいとこでしたが。たぶん残るのは,難しいっすね。まぁしゃ~ない。
料理っすか?牛スジ煮込みを,6時間ってとんでもない時間をかけて作ったことが印象に残ってるっすね。そもそも牛スジって,スーパーのパックだとちょこっとしか売ってないじゃないですか。なんで,業務用スーパー行って「牛スジ4日分ぐらい下さい。」って注文しておいたんすよ。そしたら店にある冷凍した牛スジも全部4日分用意してくれたみたいで,牛スジ10キロになっちゃった。へへ。作り方はまず水と酒と生姜で牛スジを3時間程煮込みます。火加減をちょこちょこと見ながら。で,一回ボイルした牛スジを全部洗って臭味を取って,その牛スジを細かく切ります。で,その刻んだ牛スジに醤油,酒,砂糖で味付けに又3時間。
結局,それでもスジの堅いところの芯が残ってる感じで,「ツルン」とした触感というより「コリコリ」って感じが残ってました。まぁ~,こういう時間のかかる煮込み料理には圧力鍋が良いとは聞いてますけど,あれって使い方間違えるとボ~ン!って爆発するって言うじゃないっすか。一応ホームセンターに圧力鍋を見には行ったんすけど,自分の場合おっちょこちょいだから,使い方間違えてボ~ン!って爆発したらどうしよう・・・って怖くなって,買うのをやめました。
あと,辛子味噌を作ってみました。レシピは青唐辛子,すりごま,味噌,砂糖,酒とニンニク。まずごま油で細かく刻んだ青唐辛子をすりおろしたニンニクと炒めます。しんなりしてきたら,味噌,酒,すりごまをとろ火でよくかき混ぜます。このままではしょっぱいんで,砂糖を混ぜて味を調えて出来上がり。辛子味噌は,焼き肉の時にタレに入れても美味しいですし,こないだ蒸し豚にかけても良かったっすね。茄子の辛子味噌炒めなんてのも,お勧めっすよ。
悔しいっすね。あと一番で三段目に戻れたのに。やっぱ緊張しましたね。“緊張”なんて力山に似合わないことを・・・。ははは。
緊張したのは入門してから2回目っすね。うちの部屋のみんなどんどん三段目に上がってるから,自分も早く三段目に戻りたいっていうのと,あと今場所部屋のみんな成績悪かったから,「ここは勝っておかないと・・・」とって考えちゃったんすよね。“考える”なんて力山に似合わないことを・・・。ははは。
体調の方っすか?悪くないっすよ。痛いところっすか?痛いところだらけっす。ははは。力士なんかみんな痛いところ抱えてやってると思うんで,その辺りは付き合っていくしかないっす。
関取が帰ってきてくれて,稽古場の空気は全然違うっすね。関取はノセるのが上手いんすよ。関取と自分の相撲は正反対なんすけど,関取に「立ち合いはリキの方が断然早い。今度立ち合い教えてくれ」って言われて,そんな,そんな!って。
来場所は自分のことなんて二の次っす。関取の付け人として,気を引き締めて,関取の力になれるよう,全力を尽くします。