荒汐部屋　大相撲

大相撲，荒汐部屋の日常をお届けします。師匠は元前頭・蒼国来。 [English guide to watching our morning practice]

荒汐部屋目次

平成25年七月場所を振り返って (1)

蒼国来の復活，剛士の幕下優勝，10人の勝ち越し，勝率5割9分，と，荒汐部屋が大活躍した平成25年七月場所。荒汐部屋勢各自にとって，どんな場所だったのか，恒例，早川様の記録・撮影でお届けします。

師匠・荒汐（58勝41敗）

蒼国来は，もともと強い相撲取りじゃなかったんです。成績を見てもらえれば分かるんですけど，新入幕から8番，6番，8番で，結局幕内では3場所しか取っていないんです。それがこの2年半土俵を離れて，今場所6番勝ちました。これは，もう，どれだけ大変なことか・・・

次に幕下優勝した剛士ですが，まだ剛士は自分の本当の力を分かっていません。これが怪我無く，本当に一所懸命死に物狂いで稽古したら，私は2年で幕内に上がると思っています――怪我さえなかったら，ですよ。そのくらいの素質は持っていると，私は思っています。ただ剛士は，強制的にやれと言われないとやらない，今はまだ・・・（苦笑）。この夏，福島の実家での合宿で，発奮してくれることを大いに期待しています。

そして，他の力士たちも，勝ち越しが10人，負け越した力士もいい相撲で，皆よくがんばったと思います。来場所は番付も上がるでしょうが，より一層稽古に精進してまいります。

蒼国来（前頭西15枚目：6勝9敗）

まず，名古屋場所には初日はじめ，連日大勢の方々に応援に来て頂きまして，本当にありがとうございました。

今場所は，自分なりに精一杯，一番一番，一所懸命取ってきました。結果はあまり考えていなくて，最後終わってみれば，6番勝ってたんだな，という感じでした。何て言うか，自分のことより，部屋のみんなが今場所すごく頑張って良い成績で，そのことで自分もすごく力をもらって，励みになりました。みんなから力を与えてもらってありがたかったなって，ほんと，そう思っています。

剛士も幕下初めての勝ち越しがまさか優勝って，部屋の力士が一番びっくりしてると思います。最後の相撲なんか，相手は幕下15枚目以内の力士に，すごい良い相撲で一発で持っていって。もし自分が対戦してたら，自分も一発で持っていかれたんじゃないかって思うくらいの良い相撲で。私は今場所の優勝より，次の場所の剛士が楽しみだなって，思っています。きっと上にいけばいくほど，剛士は相撲が取りやすくなると思います。なぜなら，相手が大きくなるからです。きっと頑張ってくれると信じています。

それから今場所自分は6番勝って，皆から「おめでとう」「おめでとう」って言われてるんですけど・・・。自分，相撲に入って10年なんですが，負け越して「おめでとう」と言われたのは初めてなんで，なんて応えていいか分かんなくって（苦笑）。

（荒汐）「お前，‘同情’が半分なんだよ。」

はい。

これから巡業行って，合宿行って，海外巡業もあります。その中でしっかりと準備して，もっともっと体を前のように戻して，今度こそ勝ち越して，みなさんに本当の意味で「おめでとう」って言ってもらえるように頑張りたいと思います。

荒汐部屋の力士代表として，そして荒汐部屋力士一同，これからも一生懸命頑張りますんで，応援よろしくお願いします。