場所前から「ゼッタイ6勝するゾ!」って心に決めて場所に臨んだんです。で,いざ場所が始まってみたら,風邪はひくわ,微熱が下がらなくてフラフラするわ,で。でも土俵に上がってしまったら,そんなのカンケーないっす! 自分はとにかく前に前に出るだけ。土俵に上がったら,ゼッタイ負けない!って強い気持ちを持って臨みました。
先場所は,本場所の土俵の上で「怪我をした時の悪夢がフラッシュバックのように蘇ってきて・・・」という体験をしましたけど,今場所は,土俵の上では大丈夫でした。ただ,ちょっとタイミングがずれてて土俵下でそのフラッシュバックがありました。自分の場合,気が緩むと相撲取れないんで,そのフラッシュバックも良い緊張に変えて,相撲に集中するようにしたっす。
去年の九州場所で初めて三段目に上がれたのに,翌場所,左肘怪我して約4ヶ月相撲が取れない日々・・・。ひたすら我慢の日々。それが又今年の九州には三段目で戻れそう。正直自分でもこんな早く回復できるとは思ってなかったっす。相撲を辞めようと思ったことは一日たりともありませんでしたが,このまま序二段で終わってしまうのでは・・・と,頭をよぎったことはあります。6勝した時,花道で記者さんがインタビューをしてくれました。いろいろ話しているうちに・・・感極まってしまって泣いてしまいました。
全勝力士の成績によっては自分にも決定戦の可能性もあったんで,ドキドキしながら経過を見ていました。結局,決定戦にはなりませんでしたが,しばらくの間,楽しいドキドキ感を味わうことが出来ました。